役所からの扱い
愛知県のビジネスホテルの耐震偽装に関する民事裁判の判決は、原告にとっては、得られる賠償以上の意味があったのではないかと思います。

耐震偽装に巻き込まれたビジネスホテルのオーナーは、役所からはひどい扱いをうけ、マスコミからは執拗な取材をうけ、地域からは白い目で見られてきたのではないかと思います。

建築主や所有者だからと言って、そのような理不尽な状況に耐えなくてはいけない道理はありません。

百歩譲って、好奇の目でみるのが仕事のマスコミや、それにあおられている地域の人々の目については、仕方がないことかもしれません。

しかし、役所の公平さを欠いた発言などは、すでに困惑している人たちに追い打ちをかけるようなものがありました。役所が、いい気になって、いい加減な情報をマスコミにリークしたりすることが、どれだけの影響があることか!

このビジネスホテルのオーナーが、裁判をやり抜こうと考えたのは、そういう役所の許し難い姿勢への反発があったのではないかと想像しています。

耐震偽装に関連した業者が関与しているというだけで、役所から、法規を逸脱したような執拗な追及があったと聞いています。いいかがりに近い建築の科学的な合理性を欠いた通知もあったとか。耐震偽装物件ではあったなら、それはなおさらのことであっただろうと思います。

建築確認の責任と重要性という理性的な面での意義とは別に、役所の理不尽なやりようへの批判もこめられた裁判だったのではないかと思います。

強いて言うなら、そのような役所の側にたって不しつけな取材をし、歪曲した報道をしていたマスコミにも、その矛先をむけたいところかもしれません。ただ、マスコミにも、役所に無批判にべったりの部署もあれば、本当の姿を見極めようとコツコツと取材をする部署もあり、それが渾然一体となっています。マスコミを訴えの対象にするのは難しいと思いますが、少なくとも、この判決をきいて、反省しなければいけない記者はたくさんいると思います。

ところで、ひどい役所の対応ですが、幸いにして、うちの役所は例外のようです。当初から、法規についての問題点を意識し、国の拙速とも思える対応とは一線を画していたように思います。ビジネスホテルのオーナーと分譲マンションの住民とでは立場が違いますが、役所の担当者の姿勢は、いつも住民に有利とはいえないものの、納得できるものでした。

そうした納得できる姿勢が欠如している役所が多すぎるように思います。
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by gskay | 2009-03-03 12:26 | 政治と役所と業界