売り手の保険/買い手の保険
ヒューザーや小嶋社長は、瑕疵担保責任を果たすことはできませんでした。しかも、保険に入っていなかったのが、致命的でした。でも、逃げてはいません。イマイチ、悪徳だと憎めない理由です。

ところで、現状では、売り主の保険の仕組みは下手につくると、悪徳な業者にとっては好都合です。デタラメな建築をし、代金を懐に入れ、問題がバレたら倒産し、保険の支払いで辻褄をあわせるという環境ができてしまうのではないかと思います。

この仕組みは、買い手を金銭面から納得させることはできると思います。それはそれで大事なことです。

しかし、悪徳業者は減らないような気がします。危険な建築も減りません。デタラメな建築が、安易に作られ、安全を損なうことになりかねないと思います。どうせ保険がどうにかすると、売り手も買い手もいい加減になるような気がします。

住宅売り主への保険義務化見送り 耐震偽装巡り国交省


2006年03月14日20時24分

 耐震強度偽装事件に伴い、住宅販売業者らに新たな保険制度への加入を義務づける対策が浮上したが、国土交通省は14日までに、関連法の改正案の今国会への提出を見送った。

 業者が保険に入るだけでは十分な補償ができない恐れがあるなど、課題が多いためだ。国交省は当面、業者が任意で入れる瑕疵(かし)担保保険への加入状況を顧客に示させる方針。

 新保険制度について、損保業界は、悪質な工事を助長しないため故意や重大な過失には保険金を支払わない姿勢を崩していない。また、加入を義務化すれば大量の審査が集中するため、適正な保険の運営が難しい、などの問題点がある。

 損保業界は、建設・住宅業界で共同基金を設け、保険で対応できない事故は基金で救済することを提案している。地震保険のように、政府が再保険を受け入れることなども訴えている。国交省はこれらの案を含め、検討を続ける。

金銭的にリスクがないからといってデタラメな建物を購入しても平気になるような仕組みは危険です。「保険がかかっているので、もし瑕疵があっても平気ですよ」といううたい文句で販売が可能になります。その結果、デタラメな建物でも平気で購入する人を増やし、デタラメな建物を増やすことになると思います。

仮にこのような保険を作るなら、検査のシステムがもっと充実していなくてはいけません。しかし、その検査が体制的にも技術的にも困難に直面しています。この保険があっても、危険な建物の建築も、危険な建物の売買も減らすことはできません。むしろ増えるかもしれません。バレなければいいし、バレても平気だからです。

また、会社までしか責任追及できない体制も困ります。経営者や従業員の責任を追及できる制度も必要です。保険会社からの責任追及に限界があるのなら、会社が隠れ蓑になります。そして、そうしたリスクが保険料にはねかえるだけとなり、買い手の負担を増やすのみならず、街を危なくすることになります。

いずれにせよ、保険は、買い手の側にたち、業者や計画を評価して保険料を決めるような仕組みでなくてはならないと思います。保険を業者が斡旋するにしても、買い手が個別に加入する保険であるべきだと思います。

保険料が高いということは、リスクが高いと言うことであり、購入を踏み止まる可能性があります。逆に、業者は保険料が安く済むような努力をしなければ、販売ができなくなります。

瑕疵担保保険に入っているからといって、デタラメな物件でも、安易に購入に踏み切れるような仕組みであってはなりません。優良な物件でないと、売れないと言う仕組みにしなくてはならないと思います。
[PR]
by gskay | 2006-03-15 18:23 | 揺れる システム