訴訟の継続
ヒューザーの破産管財人が、特定行政庁である自治体への損害賠償を請求する訴訟を継続することにしたようです。自治体が対応のために支出する金額を減らした上で請求するという方針も示されています。

破産手続きが開始される前のヒューザーであれば、賠償を元に瑕疵担保責任を果たす事業を行うことが出来ましたが、今は、もう破産手続きが行われているので無理です。その分の実際の事業は行政によって行われようとしています。

本来、そうした事業は、住民自身の手で行われなくてはなりません。そこを、任意代位の形で行政が肩代わりするのだそうです。必要となる費用は、住民がヒューザーから獲得した中から住民が自治体に弁済するのではなく、破産手続き中のヒューザーに自治体が直接届出て、配当受けることになるそうです。結局、行政が支出する費用は、ヒューザーが得るであろう(?)自治体からの賠償を含めた資産からの配当ということになります。

破産管財人と自治体の間では、自治体の対応のための支出と、ヒューザーの求める賠償との間のやりとりが行われているのだと想像します。一つ一つの項目について、検討が行われている事と思います。私には、報道でしか伺い知ることはできませんが……。

自治体相手の訴訟継続=社長資産7000万円−ヒューザー管財人


 耐震強度偽装事件で、マンション開発会社「ヒューザー」(東京都大田区)の破産管財人、瀬戸英雄弁護士は15日、東京都内で記者会見し、同社が東京都など18自治体を相手に約139億円の損害賠償を求めている訴訟を当面継続する考えを示した。
 同弁護士は「ヒューザーが(耐震偽装に関して)違法性を認識していたかどうか確証が持てず、現時点では訴訟を取り下げるべきではないと判断した」と述べた。
 しかし、神奈川県藤沢市については、同市が分譲マンション「グランドステージ藤沢」の解体費用を負担することを管財人と合意したため、費用分を請求額から差し引くという。
 一方、14日に東京地裁の破産開始決定を受けた小嶋進社長(52)の個人資産について、本人から、約200万円相当のゴルフ会員権1口、同社や関連会社への貸付金計約6800万円の債権があると申告を受けたことを明らかにした。 
(時事通信) - 3月15日13時1分更新

ところで、支出した自治体からの民間検査機関への損害賠償の請求は検討されているのでしょうか?支出とヒューザーへの賠償との差し引きが行われたとすると、支出された費用の回収が必要になります。それは、民間検査機関の責任に及ぶのではないかと、私は思います。

そういう責任についての規定が曖昧だというのが、このように問題が深刻になった原因なので、どう処理されるのかわかりません。また、事業の展開の仕方次第で、支出の位置づけも変わると予想され、複雑だと思います。
[PR]
by gskay | 2006-03-16 17:08 | 損害と回復