強度の数値と対応
強度の数値が、解体・建て直しの根拠になっているので、数値が定まらないのは困ると思います。

また、「0.5未満」だからといって、「補強による対応が困難」とはいえないというのは、その通りだと思いつつ、今さら言われても困ると思います。

そもそも、0.5という線引きに疑問がないわけではありません。しかし、それより前に、数値の算出に問題があります。

熊本の件で問題になったように、まともな再計算ができる人が足りません。

また、計算の仕方によって大きく変わってしまうという数値であるということも理解する必要があったように思います。そうした理解のもとで、対応が始動したのか疑問です。数値を評価し判断するプロセスについても再点検してもいい時期かもしれません。

とりわけ、横浜の物件では、当初算出された数値は0.5以上であったのに、他に先駆けて使用禁止命令が出されました。そして、その後、数値が0.5以下に修正されたという経緯があったと記憶しています。どんなことがあったのか、詳しく知りたいと思います。

きっと、再点検は、今後に向けて、教訓を与えてくれると思います。

asahi.com 建て替え物件、同じ計算法でも強度増 住民、補強も視野


2006年03月19日06時11分
 耐震強度が0.31しかないとされ、建て替え支援対象となっているグランドステージ(GS)東向島(東京都墨田区、36戸)について、住民が姉歯秀次元建築士と同じ計算法で改めて独自に調べたところ、強度が0.5を上回った。国土交通省は建て替え支援の対象を0.5未満と定めているが、実際に建て替えるか工事で補強するかは住民の判断だとしている。強度が上がれば補強で対応できる可能性が広がり、補強は一般に建て替えより追加負担が少ない。住民は建て替えを軸に、補強も選択肢の一つとして対応を検討している。

 偽装された建物の強度をめぐっては、0.85とされた東京都新宿区のマンションを姉歯元建築士とは別の新しい計算法で調べ直したところ、1を超えて「安全」とされたことが明らかになっている。従来の計算法で計算し直しても異なる結果が出たことは、強度の数値で支援内容を分けることの難しさを示している。

 国交省が昨年11月に公表した0.31という強度は、国交省の関連研究機関が再計算し、墨田区もGS東向島の元請け設計事務所に尋ねてほぼ同じ結果を確認した。

 住民たちは事態の解決に向けて手を尽くす過程で、専門誌「建築知識」編集部とともに東京都内の構造設計事務所に依頼し、姉歯元建築士と同じ計算法の「許容応力度等計算」で強度を調べた。

 姉歯元建築士と同じ構造計算ソフトと違うソフトの2通りで計算した結果、強度の最小値はそれぞれ0.56、0.54でともに0.5を超えた。

 震度5強相当の揺れで建物がどうなるかをシミュレーションすると、梁(はり)や壁にひび割れが生じ、鉄筋は伸びるものの、倒壊はしない可能性が高いという解析結果が出た。

 公表されている強度と自主検証の結果が違う場合について国交省は「住民が自治体に検証結果やその根拠を示して話し合い、どちらの強度をとるかは自治体が判断する」としている。

 耐震強度偽装事件で建て替え支援の対象になっている分譲マンションはGS東向島など11棟。対象になるかどうかは(1)建築確認で偽装を見逃した(2)許容応力度等計算による強度が0.5未満(3)補強による対応が困難(4)自治体が除却(解体・撤去)命令を出す——の4点が要件となる。

 国交省建築指導課は「建て替え支援の対象マンションでも、実際に建て替えるか補強するかは住民の選択になり、0.5未満だから補強は不可能という意味ではない。((3)の)補強が困難というのは住民の合意形成や技術面を指している」と説明する。

 補強する偽装マンションにはその費用の約15%が公費助成される。0.5未満の建物が建て替えではなく、補強することになっても助成することに変わりはないという。

 いま検討されている計画では、GS東向島の建て替え費用は計7億円前後に上り、追加負担は1世帯あたり約2000万円になる見通しだ。

 これに対し、改めて強度を調べた設計事務所によると、補強に必要な費用は一般的には2億円程度とみられ、約15%の助成を受けると、1世帯あたり500万円程度の追加負担で済む可能性があるという。

まだ、引き返せない状況ではありません。様々な条件で、建て直しが難しいこともあると思います。その場合、補強での対応を検討する意味があると思います。
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by gskay | 2006-03-22 13:10 | 揺れる システム