スクープ
今後の展開にもよると思いますが、もし、引用した共同通信の記事が伝えることが正しいのなら、すごいことだと思います。ただ、「関係者の話」の「関係者」については、神経質に検討する必要があるのではないかと思います。それに、どうとでもとれる微妙な表現なのが気になります。

しかし、そこは、さすがに共同通信!「ガセ」ではないのだろうと想像します。民主党のメール問題で、情報のソースや信頼が問題になったばかり。その辺は、大丈夫だと思って今後の展開を見守りたいと思います。

ことと次第によっては、我が国の報道のシステムはガタガタになってしまいます。特に、地方紙が巻き込まれ、大変なことになりかねないと思います。NHKがヘマをしたとか、巨大新聞やキー局がトチったということとは、桁違いの問題になると思います。そんなことはないと思いますが……。

「開発業者に指示された」 姉歯元1級建築士


 耐震強度偽装事件で、姉歯秀次元1級建築士(48)が昨年11月、構造計算書を偽造した賃貸マンションの建築主に「ある開発業者に最初に偽造するよう指示され、その時の改ざん用のソフトを(その後も)そのまま使ってしまった」と偽造を始めた経緯を説明していたことが22日、関係者の話で分かった。
 警視庁などの合同捜査本部は、1級建築士の名義を建築デザイナーの知人に貸したとする建築士法違反容疑で週明けに姉歯元建築士を逮捕する。偽造の経緯についての捜査も進める。
(共同通信) - 4月22日9時20分更新

「ある開発業者」がどこであるのかが気になります。そこが明らかになった時、内容によっては、このブログの基調である「非ヒューザー陰謀説」を放棄する重大な根拠となります。

「ある開発業者」という黒幕の存在も重要ですが、それよりも重大なのは、「改ざん用のソフト」の存在です。もし、そういうソフトが存在したとすると、事件の様相が変わってしまいます。そのソフトの開発の経緯。そのソフトは複製可能なのか?入手の経路。そして、他に配布されていたかどうか。そのソフトが、「ある開発業者」経由で入手されていたとしたら、おそろしいことです。組織的であり、他への広がりを否定できません。

しかし、記事の文章は微妙です。元建築士が自らが作り、自ら用いただけともとれます。だとするなら、今、とりたてて問題にすべきことではありません。これまでも報道されて来た手口のことであり、ニュースとしての新しさはありません。そして、「ある開発業者」がいたとしても、「言った、言わない」というレベルの話にとどまり、直接、結びつけるのが難しいことは変わりません。

今、伝えるからには、そうではない核心がふくまれているニュースなのだろうと思います。ガセであったり、空振りというのは、時期が時期だけに許せない記事です。なぜ、この時期に、この表現なのか?もっと、別の意図がある記事なのでしょうか?

いずれにせよ、この件については、今後の展開を見守りたいと思います。

この1週間で、何となく、全体の構図の描き方が、これまでと変化して来ていると感じています。その中で、この記事は、元々の報道姿勢に忠実であると思われます。

現状では、木村建設もイーホームズも、経理を誤摩化してでも利益を求める企業であるという位置づけになりつつあります。その悪徳ぶりは、ライブドア問題と同じような構造で説明が出来るのかも知れません。木村建設の過剰なコストダウンの要請が偽造の動機となり、イーホームズの実力不足がつけこまれたという構図になりつつあると思いました。

検査機関であるイーホームズについては、資本の問題に限定して考えることで、他の検査会社などを追及せずとも、イーホームズのお仕置きで解決とみなすことができます。木村建設については、複雑な背景を指摘することが出来ますが、関連する他の業者が追及されない点は、検査機関の場合と同様の発想かもしれません。

この構図は、「金」に汚いずるい経営が、官庁の目を欺いて実力以上の事業を行い、それが破綻し、社会に実害を振りまいた事件という事になります。「金」についての道徳や、官庁の権威の問題となります。

「金」にばかりにうつつをぬかさず、官庁の監督や規制に従順であることが、「良いこと」と位置づけられることになるような気がします。その結果、官庁の監督や規制が強化され、競争や独創について否定的な方向に進むのではないかと懸念します。

建築の取り締まりについて、国土交通省や自治体が充分な力を発揮できていないと思っていました。その隙間に、警察などの捜査機関が入ってくるのではないかと想像していました。それは、建築自由の理想などからみると「逆行」ではないかと恐れてきました。しかし、「逆行」を懸念する必要はないのかと思います。

今までの動きを見る限り、警察のアプローチは、建築の内容や安全、建築に関するシステムに踏み込んだものはありません。建築の内容や安全については国土交通省と自治体の手に権限が残され、システムについてもあえて問題として取り上げないということなのかも知れません。

引用した共同通信の記事の詳しい中身は、今後明らかになると思います。「報道」自身を問う方向に進むかもしれません。また、あらたな偽装事件の構図をえぐり出すことにつながるのかもしれません。

「ずるい企業が社会に実害を与えた事件」という描かれつつある構図の中に、この記事はどのように位置付けたられるのかということに特に関心があります。現状では、「黒幕」の存在の証明は微妙になりつつあるようです。ヒューザーについても、無理な経営のツケが問題だと位置付けられつつあります。その流れに逆らうインパクトがある記事だと思います。
[PR]
by gskay | 2006-04-22 22:47 | 真相 構図 処分