ヒューザー所有不動産
破産管財人による中間報告には、ヒューザー所有不動産が別表でリストアップされていました。リストは、「開発用土地」、「仕掛不動産」、「完成不動産」(販売用不動産)、「住宅」に区分されていました。

「開発用土地」と「仕掛不動産」は、金融機関の担保権対象だそうです。評価額は、「開発用土地」は簿価、「仕掛不動産」は7割評価、「完成不動産(販売用不動産)」は5割評価で財産目録が作られていました。

ちなみに、担保権設定不動産の評価額は、4,476,000,000円だそうです。資産合計の評価額は、7,176,959,586円。その差が現在の破産財団の配当原資の約30億円だそうです。

「開発用土地」の現状は、「更地」が2件。

「仕掛不動産」の現状は、「杭打段階」2件、「建前段階」1件、「建設段階(耐震強度不足)」2件、「建設段階」2件、「建物完成」1件。

「完成不動産」は、「区分所有権」が20戸、3件にまたがり、30戸中の14戸、21戸中の5戸、24戸中の1戸。全戸売却予定だそうです。「区分所有権【売却対象外】」が14戸、耐震強度が不足している物件で、2件にまたがり、30戸中13戸、19戸中1戸。

処理の方針としては、「更地」は「更地売却」、「杭打段階」は「土地売却【杭存続】」、「建前段階」は「土地売却【構造物除去】」、「建設段階」は強度問題にかかわらず「現状有姿売却」、「建物完成」は「検査済取得後現状有姿売却」だそうです。

また、「完成不動産」の「区分所有権」は「全戸売却」、「区分所有権【売却対象外】」は「建物取壊予定敷地権処理を検討」だそうです。

担保権を設定している金融機関は、7つ。うち3つが2件の担保権を設定し、4つは1件のみです。

施工は、木村建設は、「建設段階(耐震強度不足)」1件、「完成不動産・区分所有権【売却対象外】」1件。自社施工は、「杭打段階」1件、「建設段階」1件、「区分所有権【売却対象外】」1件。その他、4社が施工会社に名をつらねています。

ヒューザーは、最初の自社施工で躓きました。

「仕掛不動産」の8件中の2件が「耐震強度不足物件」でした。また、「確認取り下げ」になったものが2件含まれています。「開発用不動産」と「仕掛不動産」10件のうち4件が問題の物件であったということになります。

また、「確認取り下げ」になっているはずの1件は、リストには含まれていませんでした。別の会社の所有になっているのかもしれません。土地の仕入れなどは、分社された旧ヒューザーマネージメント(現ジャスティホーム)の業務とされています。他にも計画はあったのかもしれません。

そもそも、こうした問題は、あってはいけないことなので、これだけの強度不足物件を抱えていること自体が、重大な問題です。割合としては、今までの自分の印象と変わらないと思います。多いと見るか少ないと見るかは、立場や視点によって変わると思いますが、違法建築という立場からは「多い」という評価だと思います。「黒幕」であることの根拠としては、どうとでも評価できるように思います。

経営状況をどのように評価したら良いのかわかりませんが、引き渡し前購入者への手付金返金の6億5000万円は、きちんと払っていて、保証機関のお世話にはなっていないようです。また、借入金返済や代金の支払いも済まされているようです。

分社し、自社施工を始めるなど、野心的な展開を試みる矢先の出来事だったのだろうと思います。事業の方向性としては、全面的に否定できるようなものではなく、かなり明るい見通しを持っていたのではないかと想像します。断じて本流ではないが、ニッチで成長する会社になっていたかもしれないと思います。

不動産の売却に関しては、大手・中堅の不動産業者が、レピュテーションリスクがあるとして、耐震強度に全く問題のない物件まで一切関与しないと言う方針を立てていたということですが、状況は徐々に改善しているとのこと。過度な拒絶反応の沈静化と、市況の好調さの後押しがあるということです。
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by gskay | 2006-05-02 12:02 | 損害と回復