自治体からヒューザーへの債権届出
連休前の記事です。引用したような動きに対して、物件毎、自治体毎に温度差があるようです。

耐震計算偽造:中央区、ヒューザーに対し公的資金返還請求 /東京


 耐震データ偽造事件で、中央区は27日、「グランドステージ(GS)茅場町」(36戸)の居住者に行政が支払った移転先の家賃など計約1960万円を返すよう売り主の「ヒューザー」(大田区、破産手続き中)の破産管財人に破産債権として届け出た。区は「本来ヒューザーが負うべきものだ。請求で責任を追及していく必要がある」としている。
 請求したのは仮住まいへの引っ越し代と3月分までの仮住居の家賃など国、都、区が居住者に支払った公的資金で、4月以降分の請求も検討している。 【益子香里】

4月28日朝刊
(毎日新聞) - 4月28日12時2分更新

私は、家賃にしても引越にしても、本来はヒューザーが負担すべきものなので、こうした請求は正当だと思います。今後の除却などの費用も同様だと思います。

ただし、この動きに批判的な考えも根強いようです。住民自身がヒューザーに請求すべきだという考えもあるようです。また、問題の発生に対する国や自治体の責任の重大さを考え、住民の債権の一部を代位するような請求には同意できないという考えもあるようです。

私は、今でも、売り主との民民の関係に、公的な取り締まりが介入し、「立替払い」をしているという発想です。その「立替払い」の分が、ヒューザーに請求されるのは、「責任を追及していく必要」というより、取り締まりの仕組みを実効性あるものにするために必要だと思います。

どんなに、厳密な取り締まりを行い、厳しい命令を出しても、実際に、建物から住民を退去させ、除却するという流れを貫かねば意味はありません。その流れの最大の障害は、退去や除却の費用でした。今回は、瑕疵担保責任により当然ヒューザーが負担すべき費用です。それが、できない場合、住民負担になり、取り締まりは頓挫します。そこに、費用の「立替払い」が行われ、ことがスムーズに進んでいるのだと思います。

取り締まりを行う主体と、追及されるべき主体が、事実上同一であることが、話を複雑にしていると思います。ここで引用したような形でヒューザーに請求をする自治体の立場をよく見直してみる必要があります。建築確認などの本来の責任を果たさず、問題を引き起こすことに荷担した主体とは、別のものだと考えています。

また、公的な支援策では、ある手続きが別の手続きの前提や条件になるなど、様々な手続きが複雑にリンクしているために、状況を把握しにくくなっています。このため、不信感や不安が生まれ、公的な動きに冷ややかな見方が生まれて来るのではないかと思います。加えて、不当な抱き合わせのようなものがあるでのはないかと考え、公的な支援とは距離を置こうと言う立場も出ているようです。

物件ごと、あるいはそれぞれの住民毎に考え方は変わるかもしれません。また、自治体毎にも差があると思います。個々の条件は、それぞれなので、一概に判断すべきことではないと思いますが、自治体が立替払いをし、それを売り主に請求するというあり方は、有効な仕組みだと思います。
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by gskay | 2006-05-09 12:39 | 公的対応