提訴取り下げ
今回、訴訟から取り下げられた藤沢以外の物件は、売却予定の所有不動産で、開発用土地や仕掛不動産に含まれているものなのではないかと想像します。金融機関の担保権が設定されていて、訴訟で争うより、金融機関と交渉しなくてはいけないということなのだろうと思います。

報道については、読売新聞と、朝日新聞は同じような姿勢で報道しているように思いました。


ヒューザー、4自治体への損害賠償提訴取り下げ


 耐震強度偽装マンションを手がけた開発会社「ヒューザー」(東京都大田区、破産手続き中)が「建築確認で偽装が見逃されたのは自治体の責任」などとして首都圏の18自治体に計約139億円の損害賠償を求めていた訴訟で、このうち東京都品川区、八王子市、神奈川県藤沢市、相模原市の4自治体について、同社の破産管財人が訴えを取り下げていたことが11日わかった。これに伴い賠償請求額は約96億円になった。

 品川区と八王子、相模原の両市は該当マンションが未完成で、売買契約が1件も成立しておらず、損害が発生していないため。

 藤沢市は、本来はヒューザーが支払うべき「グランドステージ藤沢」の解体費を市が負担したことなどを考慮した。
(読売新聞) - 5月11日23時27分更新



asahi.com:ヒューザーの訴え、請求相手は14自治体に


2006年05月12日07時47分
 耐震強度偽装事件をめぐり、ヒューザー(破産手続き開始)が「偽装を見逃した建築確認で損害をこうむった」として18自治体を相手に約139億円の賠償を求めた問題で、同社の破産管財人が神奈川県藤沢市と相模原市、東京都品川区と八王子市に対する訴えを取り下げ、訴えを東京都など14自治体に対する約96億円の請求に変更したことが分かった。

 関係者によると、藤沢市については強度が大幅に不足しているグランドステージ藤沢の解体費用を市が負担することになったため取り下げた。ほかの3市区はマンション自体が建設前だったり、強度に問題のない建物だったりしたため取り下げた。

 ヒューザーは破産前の今年1月末に提訴。破産管財人は偽装見逃しの法的責任を明らかにする目的で訴訟を引き継ぐ考えを表明していた。


ところが、毎日新聞は、「ずさんさ」を糾弾しています。

<耐震偽装>ヒューザー、実在しない建物への提訴取り下げ


 耐震データ偽造事件に絡み、建築主のヒューザーが元1級建築士の姉歯秀次容疑者(48)の偽造を見逃したのは自治体の責任だとして、東京都などに損害賠償を求めていた訴訟のうち、東京都八王子市に対する訴えが、実在しない建物を対象にしていたため、取り下げられたことが分かった。同社のずさんさが浮き彫りになった。
(毎日新聞) - 5月11日13時5分更新


引用したどの記事でも触れられていないような、破産管財人の意図があるように思います。その意図は、訴訟を始めた時点の経営陣の意図とは異なると思います。破産管財人は、配当原資を増やすことを目指しています。このため、金融機関に対する姿勢や所有不動産の位置づけが経営陣とは異なります。
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by gskay | 2006-05-12 23:33 | 損害と回復