小嶋元社長の取り調べへの期待(2)
ヒューザーだけが、引き渡しを止めることができる主体ではありません。特定行政庁にも引き渡しを止める手だてがあったはずです。

もちろん、ヒューザーこそ、藤沢の物件の引き渡しを止めようと思えば、止められたはずです。責任が重いのは確かです。しかし、違法だと決めつけられるのかどうかは、良く議論する必要があると思います。

引用した記事でも、ヒューザーが、なすべき処置を怠ったことを追及しています。しかし、止めることができた別の組織の存在を忘れているのが残念です。

asahi.com 住民「被害防げたはず」 GS藤沢


2006年05月18日18時54分
 耐震強度偽装事件で、販売代金をめぐる詐欺事件の舞台となった分譲マンション「グランドステージ(GS)藤沢」(神奈川県藤沢市)。購入者の大半が代金の振り込みを指示されていた昨年10月28日には、同社側にも姉歯秀次元建築士による構造計算書の偽造が伝わっていた。平穏な生活を乱された住民の怒りの矛先は、強度不足を告げずに販売したとして逮捕された社長の小嶋進容疑者(52)に向けられている。

 30代の男性会社員は昨年3月末、新聞の折り込み広告で物件を知った。JR藤沢駅から近く、100平方メートル以上の広さが魅力だった。販売価格約4600万円。購入を機に婚約者と結婚するつもりだった。

 4月26日に申し込み、6月20日まで3回に分けて手付金や中間金など計400万円を支払った。残りの資金計画がまとまる前後、ヒューザー側から(1)物件引き渡しは10月28日に行うので午前中までにすべての支払いを終える(2)支払い完了をヒューザーが確認後、午後に鍵を渡す、と指示された。

 「いい物件だから早めに手続きしておこう」。10月17日の月曜日、会社を休んで銀行に行き、本体代金約640万円のほか修繕積立金と手数料などを振り込んだ。ローンは3600万円。同28日午前、男性が契約した金融機関からヒューザー側に支払われた。

 ところが、その前日の27日に小嶋社長は、姉歯元建築士やイーホームズ社長の藤田東吾被告と問題に対処するための善後策を相談していたことが国会などの場で明らかになった。

 会社員は「欠陥を知った以上、せめて当日朝にでも振り込み手続きを止めていれば我々は被害を受けずに済んだ」と怒りを隠さない。

 GS藤沢の分譲戸数は30戸で、最終的に17戸が販売された。購入者の大半はヒューザーの関連会社「ヒューザーマネジメント」(現ジャスティホーム)から10月28日午前中までに振り込むよう指示されたという。

 別の60代の男性も同じ指示を受けた一人だ。市内の戸建て住宅を売った代金でGS藤沢を買う計画だった。10月28日の午前、戸建て住宅の販売代金を現金で受け取った後、ヒューザーに全額を入金し、午後3時、鍵の引き渡しを受けた。

 男性は「ヒューザーに被害を止める気持ちさえあれば、こんな事態にならなかった」と悔しがる。

ヒューザーであれ、イーホームズであれ、あるいは、イーホームズからのメールに対応しなかった国土交通省であれ、直ちに、該当する特定行政庁に取り扱いを問い合わせていれば、引き渡しに進まずに済む可能性が残されていました。

検査済み証の取り消しでもいいし、使用禁止命令でもいいし、対応の手段はいくらでもあったと思います。逆にいえば、そうした公的な措置を講じていなければ、引き渡しの手続きを止めるのは難しいと思います。引き渡しのはるか以前から、引き渡しのための手続きは動いているからです。

引き渡しによって生じた新たな問題に、藤沢の物件を担当する特定行政庁である藤沢市がいかに関わっていたのかも、追及して欲しいと思います。特定行政庁は問題となっている引き渡しを防ぐことができたはずなのに、なぜ、対応できなかったのかという点への取り調べを期待します。
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by gskay | 2006-05-19 08:47 | 真相 構図 処分