小嶋元社長の取り調べへの期待(3)
10月25日、27日という日付が、鍵になっているようです。そこから、11月17日に公表されるまでの経緯を明らかにして欲しいと思います。「数値の軽減」が認識され、耐震強度の性能不足が指摘されて以降、状況は、どんどん変化していて、それにどのように対応したが重要です。

私は、公表まで、耐震偽装のことは何も知りませんでした。

発覚した時期は、ヒューザーに壁のクロスについてクレームを出し、木村建設と交渉していた時期で、11月に入って貼り替え工事を行い、1日立ち会いました。その背後で、そういう問題が出ていたとは、全然知りませんでした。だったら、あの工事は、見合わせてもよかったのではないでしょうか?

他にも、様々な出費がありました。発覚から、11月17日までの対応のまずさが、損害を増やしていると思います。

「なぜ、11月17日まで公表されなかったのか?」という疑問と、イーホームズとヒューザー、それに監督官庁である国土交通省が偽装を認識しながら藤沢の物件の引き渡しを中止できなかったことは、共通の問題を抱えていると思います。

はじめは、よその物件のことだとしか見ていませんでしたが、今は、関心が強くなっています。

この件について、引用の通りなら、完成前の物件については、まともな対応をヒューザーが迅速に行っているという印象を受けます。もっと、迷走していたのかと思っていました。

(そんな対応をしていたから、逃げ出すタイミングを失ってしまった?)

対応としては、時間を無駄にしていないと思います。

問題の耐震強度が、「震度5強で倒壊のおそれ」であるかどうか、あの時点で認識されていたがどうかは別として、工事を中止させたり、申請取り下げの処置等は、迅速に行われていると思います。

問題の拡大を防ぐ措置については、ある程度の評価をしてもいいような気がします。

読売新聞が報じている社員への説明の部分は、そういう説明をされた社員もいたかもしれませんが、私が知っている人は、全然知らなかったようです。「どうなっているの?」と思っても、説明はなかったということでした。公表され、破綻にいたる道程でも、充分な説明はなかったということでした。

(知り合いによれば、マスコミが報じているようなことは、本当に把握されていなかったとのことです。社長や役員等、説明する側も、混乱の本質をよくわかっていなかった可能性はあると思います。)

なぜ、社員にもまともに説明できなかったのかという点は、ポイントの一つです。これは、特に公表前の段階に注意する必要があると思います。どういう経緯で、社員に知らせないと言う判断をしたのか明らかにしてほしいと思います。これは、分譲後の物件の所有者である私たちにも知らされていなかったことと同様に重要だと思います。

また、補強の検討については、技術的な面から、大手ゼネコンを政治家と訪ねたりしたように、「真剣に」検討していたのだと思います。それも、「逃げずに」取り組んでいるという前向きの評価をしてもいいように思います。


小嶋容疑者、姉歯物件の販売中止指示…改ざん知った後


 耐震強度偽装事件で、開発会社「ヒューザー」社長の小嶋進容疑者(52)が、元1級建築士・姉歯秀次被告(48)の構造計算書改ざんを伝えられた直後の昨年10月27日、全姉歯物件の販売を中止するよう同社幹部に指示していたことがわかった。

 その一方で小嶋容疑者は翌28日、神奈川県藤沢市の分譲マンション「グランドステージ(GS)藤沢」を顧客に引き渡し、代金を振り込ませていた。

 警視庁などの合同捜査本部は、販売中止の指示は、小嶋容疑者がGS藤沢引き渡しの段階で、建物の危険性を十分に認識していたことを裏付ける事実とみて、捜査を進めている。

 関係者によると、小嶋容疑者は昨年10月27日、強度偽装について確認検査機関「イーホームズ」社長の藤田東吾被告(44)らと協議した後、営業担当の責任者だったヒューザー役員に、千葉県船橋市内の分譲マンション2件など全姉歯物件の販売を中止するよう指示した。

 さらに小嶋容疑者は、社員らから販売中止の理由を問われた場合には、姉歯被告による構造計算書改ざんの事実は伏せ、「分譲マンションを社有物件や、賃貸マンションに切り替えるかもしれないから」と、虚偽の説明をするよう役員に指示したという。

 その一方で、指示翌日にGS藤沢の引き渡しを進めた理由について、小嶋容疑者は逮捕前、「(確認検査機関の)検査済み証も下りており、問題ない」「引き渡しを中止するには時間的に無理があった」などと、読売新聞の取材などに説明していた。

(2006年5月19日14時41分 読売新聞)




工事を中止、補強を検討 偽装物件の引き渡し当日


 耐震強度偽装事件で、「ヒューザー」(東京都大田区、破産)が昨年十月二十八日、神奈川県藤沢市の「グランドステージ藤沢」で十七戸を引き渡す一方で、ほかの四つの偽装物件については工事中止などの措置を取っていたことが二十日、警視庁などの合同捜査本部の調べで分かった。
 さらに工事中だったほかの偽装物件でも補強工事の検討を始めており、合同捜査本部はグランドステージ藤沢についても、強度不足を認識していたとみて社長の小嶋進容疑者(52)を追及している。
 調べでは、偽装問題が発覚した昨年十月二十五日夜、元一級建築士姉歯秀次被告(48)の自宅兼事務所に派遣した設計部長(45)のメモで、同社はグランドステージ藤沢を含む八つの偽装物件を把握したとされる。
 同社はその三日後、東京都足立区と同町田市の三つのマンションの工事中止を関係先に届け出。元請け設計業者を通じて同八王子市内で建設予定だったマンションの建築確認申請も取り下げた。
(共同通信) - 5月20日6時25分更新


関係者には、違法建築を作ってしまった責任や、見逃した責任があるのは当然ですが、それとは別に、発覚後の対応への責任があります。

これは、担当する官庁についてもいえることです。不適切な対応を、ヒューザーと小嶋社長に押し付けただけでは、「見せしめの磔」に過ぎません。違法建築について、国土交通省や、特定行政庁と、検査機関や建築主や所有者との連携が、システムとして、全くデタラメであるのが問題です。

違法建築の所有者でありながらヒューザーは、それを売ってしまいました。それが、責められています。よく考えると、私自身、違法建築の所有者です。しかし、桟敷の外に放置されてしまいました。責任を果たしたくても果たせず、悔しく思います。

知っていれば、余計な出費を防ぐことができたはずです。ひょっとすると、あの時期に他人に売却していたかもしれません。そんなことをしていたらと考えると、背筋が寒くなります。

もしかしたら、担当する特定行政庁の担当者でさえ知らなかったのではないかと疑っています。もしそうなら、滅茶苦茶です。システムのデタラメさと同時に、それを執拗に立件しようとする動きや、立件させようと言う方向性に不安を感じます。

たまたま、完成後で分譲直前の物件があったために、重大な問題が明るみに出たように思います。これは、検査済証の効力や失効の手続き、それにともなう取引の中止などの仕組みを整備するために吟味しなくてはいけないと思います。

そのために、発覚の日付で、どのように情報が広がり、どのように管理されていたのか、その管理に責任を負うのは誰かと言う点への取り調べを期待します。
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by gskay | 2006-05-20 13:03 | 真相 構図 処分