篠塚明元東京支社長@NNNドキュメント
6月4日のNNNドキュメント'06で、日本テレビが制作した「独白…耐震偽装 キーマンとの150日」というタイトルの木村建設の篠塚明元東京支社長への密着取材が放送されました。
世の中の風潮やマスコミの一般的な姿勢から一線を画した内容だったと思います。 他の記者やレポーターたちは、群がってつるし上げるような雰囲気を作っていました。あれでは、新しいコメントが取れるわけがない。コメントが取れるわけがないのに、みんなが同じことをしているのは、無駄です。その上、わざと怒らせるような挑発をしておいて、怒った人を「不誠実だ」となじる。 取材と言う仕事は、つるし上げや挑発ではなく、情報を取ることだと思います。 そんなやり方は、もう、やめませんか? コメントが取れない理由は、取材が不適切だからです。 少なくとも、このドキュメントのように密着取材しているジャーナリストがいる以上、それができなかった人たちは、反省するべきです。 住民への取材だって、不愉快でした。大抵は。 取材をしていながら、相手に自分の偏見を押しつけ、意見が異なると執拗に食い下がって、お目当てのコメントを取ろうとする。何で、あなたにそんな風に言われなくてはいけないの?そもそも、あなたの意見はどこから生まれたもの?そして、なぜ、そっちが正しくて、こっちがおかしいと決めつけられる? 真の姿を明らかにしようという気持ちや、正義を守るという気持ちがあるなら、人の話をききなさい。 マスコミに従事する人の人間性の問題なのかもしれません。 そういう取材がほとんどである一方、しっかりした人もいます。群がっている時にも、ひと味ちがいます。質問がするどく、こちらを啓発してくれるようなジャーナリストもいます。ただ、他の群がっている記者やレポーターにかき消されてしまいがちなのが残念です。多分、群がっている他の記者やレポーターにインタビューさせるより、ずっといい取材ができると思いますが、そうはならないようです。 すぐれたジャーナリストからの取材は、気分良く受けられます。そして、その後に発表される記事や番組は、こちらの意図と異なっていても、目くじらを立てようとは思わない出来映えになっています。新しい切り口を披露された時には、敬服します。 ほとんどの記者やレポーターの行為は許せません。しかし、それでも、ジャーナリズムを基本的に善だと思える理由は、そういうジャーナリストが混じっているからだと思います。 篠塚明元東京支社長を取り上げたドキュメンタリーは、深夜の放送で大した注目もなかったのではないかと思います。新しい内容はなかったような気がします。しかし、人柄が伝わってきたように思います。 友人に仕事の関係で、篠塚明元東京支社長と付き合いがあったという人がいます。その友人から聞いた評価に合っていると思いました。有能で誠実な人だという評価でした。厳しく条件を設定するのは真面目だからだとのこと。いい加減は許さない人のようです。不正で辻褄を合わせようという仕事ぶりではなかったとのことです。 元建築士からバックマージンを取っていたという関係など、適切とはいえないことだと思います。しかし、これは、業界の慣行を考えると、評価が難しいことのようです。 懲らしめられるべき「悪人」というイメージが先行する一方、どういう「悪」があったのかわからないままです。「悪」の部分を取り上げるのではなく、「悪人」のレッテルを貼られた人物の姿を報じている点に関心を持ちました。 「別件逮捕」で終わったままですが、その後の軌跡も、無理や不都合のない範囲で知りたいと思います。良い関係の取材が続いて欲しいと思います。
by gskay
| 2006-06-06 17:18
| メディアの狂騒
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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