既存不適格と同等?
引用した市川市のケースは、既存不適格の物件に比べて安全性が劣るといえない数値であり、判断は安全を軽視しているとはいえないと思います。ただし、このようなケースについて、自治体が独自に法令を解釈し判断してく事が妥当なのかどうかわかりません。

耐震計算偽造:GS下総中山耐震補強工事、公的資金支援せず−−市川市 /千葉


 ◇住民説明会で市川市説明
 耐震データ偽造事件で耐震構造に問題があるとされる分譲マンション「グランドステージ下総中山」(市川市鬼高3、9階建て23戸)の住民説明会が4日、同市役所で行われ、市はマンションの耐震補強工事などに公的な資金支援を行わない方針を住民に伝えた。全世帯から23人が参加した。
 国土交通省は、耐震強度が0・5以上の構造計算書偽造物件についても、国と市が耐震補強工事に資金支援を行う住宅・建築物耐震改修事業などで支援する申し合わせを各自治体としている。埼玉県川口市などはすでに支援の方針を打ち出している。
 GS下総中山の耐震強度は0・73とされるが、市は「81年の建築基準法改正以前に建設された3階以上の分譲マンションが市内に270棟あり、特定のマンションのみを支援するのは公平感に欠ける」などの理由から支援をしない方針を決めたという。
 GS下総中山は先月22日から補強に向けた耐震診断が始まったばかり。神田真也同マンション副理事長(41)は「期待していたのと180度違う方針で残念」と話していた。【神足俊輔】

6月5日朝刊
(毎日新聞) - 6月5日12時4分更新

既存不適格とのバランスを大切にした街全体の総合的な安全を重視した判断だと思います。だとすると、特定行政庁としては、ことさら取り締まりの対象とせず、公的な勧告や命令の対象にさえしないのかも知れません。それはそれで、合理的な考えだと思います。

究極の目標として、危ないものに、網羅的に対応しなくてはならない以上、特定の一棟だけに対応して、解決したつもりになるのは確かにおかしいことです。

ただ、物件名を公表することを避けるなどの配慮をすれば、他と同じように穏便にすますことができたはずなのに、それが不可能になってしまっています。この特定の一棟だけの耐震強度が広く世間に知らされてしまって、世間から過剰な反応を受けていることを考えると、今さら、他の物件と一緒にされても、住民は納得できないのではないかと思います。

これだけの「特別扱い」をされながら、「何を今さら……」ということだろうと思います。既存不適格と同等の扱いは難しいと思います。派手に取り上げる前なら、そういう選択肢もあったと思いますが……。

また、「支援」と「取り締まり」は、別のものであるものの、「取り締まり」が実効性をもつために、「支援」は大切な要素だと思います。勧告や命令を出したとしても、勧告や命令が目指す方向には運んでいない横浜のケースもあり、配慮が必要だろうと思います。

いずれ、補強工事をすることになると思います。差し当たって、その費用が問題です。

私自身が直面している現状から考えると、ヒューザーを含め、請求できるところには請求し、小刻みに損害を回収していく努力が必要だと思います。そして、最終的に帳尻が合うように努力していくことが必要だと思います。請求するべき相手として、特定行政庁は念頭におくべき相手の一つです。

前例のない出来事とされており、いきなり満足できる既存の仕組みがない以上、しぶとく頑張らなくてはなりません。一方で、前例がないからこそ、諦める必要はなく、納得がいくまで、求められるものを求め続けようと思います。私たちが、前例になるのですから。
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by gskay | 2006-06-07 18:03 | 政治と役所と業界