建築基準法改正の目玉
建築基準法が、テキパキと改正されました。その目玉は、罰則の強化と第三者機関のチェックだそうです。実際問題として、この改正は、実効性は薄いような気がします。取り締まりが強化されない限り、無意味になってしまうと思います。

罰則強化の必要性は高いかもしれません。法令を犯しても、罰則が軽ければ、違法な行為による利益と天秤にかけ、敢えて法を犯す人が出て来る可能性があります。

しかし、罰則を強化しようがしまいが、取り締まりシステムが整備されていなければ意味がありません。取り締まりを誰がどのように実施していくのかという点こそ重要だったのではないかと思います。罰則強化は、取り締まり強化が実践されない限り無意味です。

第三者機関のチェックについては、新たな判定機関の必要性と、ピアチェックの必要性が混同されていると思います。また、建築確認の意義を一層不明瞭にすることになると思います。第三者機関と建築確認との責任の関係が曖昧です。加えて、建築確認が審査による実質的な「許可」になっていて、事業の公的なゴーサインとなっている建築確認制度の歪みを解決できてはいません。

これについても、未然に防ぐという幻想は捨て、「ビシビシ取り締まるから、いい加減なものをつくるな!」というシステムの方が良いと思います。

民主的な専門家による仕組みを守り、建築の技術の発展のための自由な努力に水を差さないようにするつもりだと思います。だったら、いっそ、形骸化した検査を無くした方がいいと思います。その上で、取り締まりと罰則を強化し、違反は割に合わないようにすべきです。

民主的な仕組みという隠れ蓑で、取り締まりを怠り、違法を放置し続けてはならないと思います。

取り締まりが強化されるかどうかは疑わしい限りですが、仮に行われることになったとしたら、正当に行われなくてはなりません。違法を疑われる建築について、取り締まる側が「ここがおかしい」と責めると同時に、取り締まられる側が「このように正当だ」と主張し、議論して決着をつける仕組みの充実が必要です。一方的な取り締まりではなく、議論から建築を発展させるような問題を抽出できるような仕組みが必要です。そういう仕組みのほうが民主的だと思います。

これまで通りの民主的な仕組みを守ったつもりかもしれませんが、安全の確保について進歩はみられないと思います。また、建築における権利や責任、公的権限の関係も、今まで通りです。「手続きが滞りなく済めば、後は知らない」という仕組み。デタラメのままでも平気な仕組みがそのままだと思います。
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by gskay | 2006-06-20 16:50 | 揺れる システム