資格と独占
「建築士」という名称は独占していても、建築士としての業務に関しての独占は曖昧なのかと思います。名義貸しも横行していると聞きます。引用した記事と同根の問題だと思います。

重い処分に法律の壁 権限持つ北海道が苦慮


 札幌市などでマンションの構造計算を下請けし、耐震データを偽造していた浅沼良一・2級建築士の行政処分をめぐり、処分権限を持つ北海道が苦慮している。28棟で偽装が確認され、16棟で強度不足が判明しており、行為の重さからは厳罰も考えられるが、法律上は設計責任者の元請け業者が処分対象だからだ。
 「構造計算の手伝いをしていた」
 ことし3月の偽装発覚後、データを偽造した浅沼2級建築士は北海道の聴取に下請けの立場を強調した。建築士法上、同建築士は本来高層マンションを設計する資格はなく、元請けの1級建築士が設計全体に責任を負っている。
(共同通信) - 6月24日18時33分更新

専門職の仕事として、『構造計算書偽装問題に関する緊急調査委員会最終報告』にも登場する医師の例でいえば、名称のみならず、業務も厳密に独占されています。

医師免許を持たない人が、「業」として業務をしてはならないことになっていて、医師法違反を問われます。チームを組む他の専門スタッフとの関係も厳密です。事務の仕事や、看護の補助等が資格がなくても従事できるものの、医療そのものにかかわる業務は、資格を有するスタッフのみの仕事です。

建築では、そうした役割分担の部分が、デタラメなのだろうと思います。ヒューザー関連でも、それ以外でも、無資格者の関わりが指摘されています。この2級建築士の問題だけではないと思います。

ところで、医師が関わる現場としては、医療の現場ではない「研究室」レベルのアカデミックなシステムでは、資格の有無は問われません。しかし、「研究室」と、医療行為の現場とでは、厳密な区別があります。「無資格者」の関与自体が許されない医療現場においては、そんな「苦慮」は起こりにくくなっています。

建築も、これを機会に、「研究室」レベルのシステムから脱皮しなくてはならないと思います。「元請け」と「下請け」の間の曖昧な責任関係や、「名義貸し」など、資格や責任を厳密に決めれば解決することだと思います。そのために、窮屈な仕組みになることを恐れているのかもしれませんが、「安全」のためのシステム構築が優先だと思います。建築士が独占すべき業務の抜本的な見直しが必要だと思います。
[PR]
by gskay | 2006-06-26 22:58 | 揺れる システム