複雑な業界の構造
あらゆる可能性を考える必要があると思います。対策は、今後への準備を含めて必要だと思います。

耐震偽装 民間主導で救済基金 国交省打診、業界は難色


ただし、こうした「構想」と、事件の責任の所在の話とは別ではないでしょうか。「構想」がでたからと言って、直ちに「民間が悪い」という議論や官の責任逃れにはならないと思います。

責任の割合は、改めて議論すればいいことで、法廷で決着をつければよいことです。それよりも、早期に、何らかの形で、安全や安心を提供できない限り、「業界」がピンチになってしまうことを恐れます。

親しい建築関係者は、みんな強い危機感を持っています。特に、末端の現場は真剣です。グズグズしてはいられないはずです。

「業界」のほとんどの関係者は、しっかりと働いていると信じています。そうした人たちが困って欲しくはありません。

とはいうものの、マンションと言う建築物を造る為に汗を流している人や、知恵を絞っている人と、それを買ってそこに住もうとしている人の間には、たくさんの人が関与しすぎているような気がします。デベロッパー、ゼネコン、元請け、下請け……。実際の作り手と買い手が直接つながっていないと感じます。

安全のためや、便利のため、良い企画のために多くの人が関わる必要はあるのかもしれません。しかし、業界と言うところには、実際に作っている人と、買う人の間を遠ざける力があるような気がしてしまいます。この距離が縮まらない限り、いずれ「マンション不況」は来ると思います。(ヒューザーには、その距離の近さを感じた……。裏目にでたが……。)

この「構想」も、関わる人を増やし、コストを増加させ業界がますます複雑な構造を持つ事に拍車をかけるのではないかと心配です。透明性からさらに遠ざかってしまうのではないでしょうか。

民間検査機関の扱いに懲りたばかりですから、陳腐なってしまった検査制度等の法令を抜本的に整理するのは最低でも必要です。加えて、業界の体質にも切り込んで行く必要があると思います。複雑で非効率な仕組みが、高いコストと低い信頼性の背景にあると思います。

現場でいい物を作っている人や、いい企画をする専門家がもっと報われるようにして欲しいと思います。一方で、途中に介在するひとを少なくし、コストをカットして欲しいと思います。そして、余った人材を、これまで重視されていなかった領域に再配置することで、より安全や便利を確保して欲しいと思います。

信頼が揺らいでしまったシステムを抜本的に見直すことなく、姑息的に対策を追加するだけでは状況は打開できないでしょう。旧弊を改善しながらの対策を希望します。
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by gskay | 2006-01-03 23:34 | 政治と役所と業界