「厳しい姿勢」
充分な取り締まりが行われて来なかったことが、問題の発生の原因だったと考えています。「官から民へ」の流れが問題だという考えが主流ですが、私は、必ずしもそうではないと考えています。

震災の経験から、特定行政庁を取り締まりや指導の機関として充実させる一方で、建築確認などの検査を民間に開放したのが、現在のシステムであると考えています。元となった発想は良かったと思います。しかし、問題は、特定行政庁が取り締まりや指導の機関として機能しなかった点にあると思います。

引用した記事では、現在のシステムの基盤となる考え方には触れていませんが、現行の仕組みの趣旨にそって考えた場合の重要な方針を伝えていると思います。

地方整備局に「建築安全課」=耐震偽装防止へ監督強化−国土交通省


 耐震強度偽装の再発防止に向け、国土交通省は1日、地方整備局に「建築安全課」(仮称)を来年度新設し、建築士や民間確認検査機関への指導・監督を強化する方針を固めた。地方自治体と日常的に連携を深め、違法行為を見つけた場合、行政処分や告発を円滑に行う。
 先の国会で成立した建築基準法など4法改正で、罰則や建築確認が強化されたことが背景。強度偽装などは現行の罰金50万円が、懲役3年以下または罰金300万円(法人は罰金1億円)以下に引き上げられた。同省は圏域単位で安全管理体制を充実させ、「罰則強化に対応し、違反行為は放置しない」(住宅局)との厳しい姿勢で臨む。 
(時事通信) - 7月2日6時1分更新

公表後の早い時期から、「官から民へ」という流れへの批判は、追及の大きな柱です。しかし、「官」においても建築確認が不十分であったことを考えると、そうした批判で考えても、問題の解決につながるかどうか疑問に感じます。

むしろ、特定行政庁の取り締まりのシステムの充実こそ必要であり、引用の記事の「建築安全課」は、今回の事件への反省をもとにした対策の目玉の一つだと思います。

現行のシステムの趣旨が誤っているとまでは思いません。確認や検査の技術的な問題や、取り締まりの事実上の未整備が問題であり、取り締まり機関の充実は誠実な対応だと思われます。

ただ、新たな部署ができても機能するかどうかは別問題です。

技術的な問題が難しく、取り締まりをするにも問題を見抜くのは難しいでしょう。

仮に、問題を見つけても、その問題に対応するための対策が講じられるかどうかは別問題です。問題のある建物があったとしても、対策費用への配慮がなければ、放置されてしまいます。

また、私有という権利との兼ね合いも難しい問題になると思います。加えて、建築の自由や、日進月歩の技術発展の促進との関係も重大な問題だと思います。

従来、そもそも取り締まりが活発ではありませんでした。違法に対する措置が講じられる機会も少なく、また、講じられてもうまく機能して来ませんでした。そうした現状に対する提案として有意義だと思います。
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by gskay | 2006-07-04 20:33 | 政治と役所と業界