報道機関による非破壊検査
非破壊検査の結果は、センセーショナルで、設計どころか施工だってひどかったということを明らかにしていると思います。

地下の柱、鉄筋半分以下…藤沢のマンションで検査


ただ、これまでも、構造の専門家が「単に鉄やコンクリートを多く使えば、強い建造物ができるわけではない」と強調していることに再度留意して、報道を捉えなくてはいけません。また、「巧みな経済設計」という高度な技術があり、そのノウハウまで否定してはいけないと思います。

「巧みな経済設計」の外見だけを真似して偽装したのが今回の事件であり、「巧みな経済設計」自体は悪ではありません。今後、「無意味な過剰設計」に偏っていかざるをえなくなるような報道は避けて欲しいと思うとともに、報道の受け手も、そういう配慮をもって見守らなくてはいけないと思います。

そういう視点でみると、非破壊検査の結果を、そのままを報道するだけでは、十分ではありません。構造計算を再計算してはじめて評価の対象となります。再計算なしでは、「さらに、どれだけ、やばいか」ということまではわかりません。つまり、今回の報道では、杜撰な施工でどれだけ建築基準から外れることになったのかまでは明らかになってはいません。

再計算には時間がかかるため、タイムリーな報道を目指して、報道したのだろうと思います。少なくとも、施工の杜撰さを再確認させてくれました。

こうなってくると、偽造構造計算が発覚していなくても、施工レベルの欠陥マンションであったということにいずれはなると思います。どういう責任追及が必要になるのか、一層複雑になります。検査をすればそうなると、うすうす思っていましたが。

うちのマンションでは、とりあえず、そういう検査は予定されていないようです。捜査上の目的や、資料作成の目的で調査する可能性はあるようですが、当面の方針を決める材料にはしないようです。

ところで、書類の不備も明らかになりました。そのような不備にもかかわらず、検査済みの証書がでているという実態も報道されました。技術的に困難な部分には充分な検査はできないものの、書類の不備は見逃さないという話だったような気がしていたので残念です。
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by gskay | 2006-01-05 23:08 | 揺れる システム