横浜は耐震改修へ
以前より、耐震改修の方針が示されていた物件が、本格的に耐震改修に進むことになりそうです。引用した記事では触れられていませんが、ここは、川崎の物件に続いて、早い時期に使用禁止命令が出された物件です。当初は、0.5以上の数値が出されたものの、後に0.5以下であると市の当局が発表した物件です。強度の数値の取り扱いの難しさを象徴するようなケースになって複雑でした。

加えて、横浜市の場合、国のスキームとは別の方針を貫いています。この物件は、建て替え相当とされる物件の中で、唯一、現時点でも入居者が居るという物件です。横浜市は、転居に関しても、国のスキームによらない対応をしていて、退去が完了には至っていないようです。

使用禁止命令の意義や、それを実効性のあるものとするための措置について、同じ法律に基づいているように見えて、ここだけは、異なった解釈をしているのだろうと思います。

私には、国のスキームに沿うのが良いのか、独自の判断を貫くのがいいのか、いずれがよいのかわかりません。

引用した朝日と読売では、大筋では差がありませんが、いずれも横浜市の対応が特殊であることには触れられていません。

asahi.com横浜の耐震偽装のマンション、補強の方針を決議


2006年07月31日11時31分
 耐震強度偽装事件で、強度が0.41とされた横浜市鶴見区のマンション「コンアルマーディオ横濱鶴見」(19戸、建築主ヒューザー)の管理組合は30日、建物を取り壊して建て替えるのではなく、耐震強度を満たすよう補強する方向で検討を進める方針を決めた。補強の実施が決まれば、国交省が建て替え支援の対象としたような強度0.5未満の建物では、初の例となる。

 管理組合によると、6〜7月にコンクリートや鉄筋の状況を調査した。設計図通りに施工され、工事には手抜きがなかったと確認できた。技術的には、補強でも強度を満たすことが可能とみられるという。

 補強の場合、1戸当たりの追加負担は1200万円程度になる。建て替えだと最低でも2600万円が必要で、管理組合は「生活困窮を避けるための苦渋の選択」と話している。



耐震偽装「建て替え必要」横浜のマンション補強改修へ


 耐震強度が偽装され、強度が41%だった横浜市鶴見区の分譲マンション「コンアルマーディオ横濱鶴見」(10階建て)の管理組合は30日、建て替えではなく、補強による耐震改修の方針を決めた。

 国が「建て替えが必要」とした強度50%未満の耐震偽装物件で、改修方針を決めたのは初めて。

 同マンションは昨年12月、横浜市の使用禁止命令を受け、管理組合と市が国の支援策に基づく再建策を協議。

 しかし、現状と同規模の建て替えには、公的支援を受けても1世帯当たりの費用負担は3200万円に上り、住民が難色を示していた。

 同市は今年4月、柱とはりの外側に鉄筋コンクリート製の枠を取り付けて補強する改修案を提示。1世帯当たりの負担が1200万円程度に抑えられるため、住民からは「現実的には改修しかない」との意見が多数となっていた。

(2006年7月31日3時5分 読売新聞)


改修で対応できるということなので、敷地等の条件が良かったのだろうと思われます。

引用した記事は、住民にスポットを当てていますが、大胆な対応をしている市についても伝えて欲しい事がたくさんあります。問題の数値が出る経緯や使用禁止命令、公的な対応など、様々な点が特殊です。訴訟関係などについても、厳しい態度であるという話も聞きます。他の物件との均衡を考えると微妙な気持ちになります。

そこには、単に建築行政の問題に留まらず、地方自治の問題や政治の仕組み、住民と当局との関係など、示唆に富む出来事が含まれています。人気のある政治家という存在についても、いろいろと考えさせられます。
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by gskay | 2006-08-01 15:29 | 公的対応