訴訟の見通し
余裕をもって自力での建て替えが可能な状況だとしたら、損害回復のための訴訟の性格は変わっていたと思います。何も考えずに自治体を相手にできたと思います。公的な対応も気にかける必要はありません。しかし、そういう状況だったら、そもそも、住宅ローンなんて借りなかっただろうと思います。一部を除けば、ローンが残ったままで、権利関係が複雑です。

不真正連帯が問題になるらしいのですが、不真正連帯の法律実務や学説は複雑なようです。

住民の過失の有無が問われるようなことはない見込みですが、ことによると、過失相殺の否定について論じる必要が出るかもしれません。

自治体を相手にする場合、民間検査機関の建築確認を、特定行政庁が行ったものとみなすという判例に基づくとされていますが、単純ではないようです。

判例は、都市計画などの集団規定についての判断であり、自治体に権限がある問題でした。単体規定では判断が示されていない点は微妙で、単体規定については国の問題であるという立場を貫けば、自治体の責任を否定することが可能かもしれないという意見も聞きます。

また、イーホームズに過失がないことを証明すれば、自治体の責任は問えなくなります。

ヒューザーが起こした訴訟は破産管財人に継承されていますが、これは、破産債権の認否で示された判断と関連して、和解によって相殺する処理が目指されているのかもしれません。

その一方で、川崎大師の物件では、住民が提訴しており、その分のヒューザーの訴訟は取り下げられ、一本化されています。

川崎大師では、他に設計事務所、非木村物件なので施工業者、それに、偽装を行った元建築士を訴えているとのことです。その意図についてはくわしくわかりませんが、住民の訴訟の先陣をきっていて、その行く末が気になります。
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by gskay | 2006-09-06 15:54 | 損害と回復