小嶋元社長の無罪主張
耐震偽装問題では、元建築士、木村建設元社長、元東京支店長に、イーホームズ元社長と刑事被告人になっている人たちがいますが、直接、目の前にしたことがある人は、この人だけです。

asahi.comヒューザー小嶋被告、無罪主張 耐震偽装で初公判


2006年10月05日21時44分
 耐震強度偽装事件で、構造計算書の偽造を知りながらマンションを販売したとして詐欺罪に問われた「ヒューザー」(破産手続き中)社長、小嶋進被告(53)の初公判が5日、東京地裁(毛利晴光裁判長)であった。小嶋社長は罪状認否で「そのような犯罪を行ったことは一切ございません」と、無罪を主張した。被害を受けたマンション住民に対しては「(結果的に)誤った判断で大変なご迷惑をおかけした」と謝罪した。

 検察側は、小嶋社長がマンション引き渡し前に構造計算書の改ざんを認識しながら、隠蔽(いんぺい)していたと指摘。被告・弁護側と主張が真っ向から対立する構図となった。

 検察側の冒頭陳述によると、小嶋社長は、姉歯秀次元建築士(49)=公判中=が構造計算を担当した「グランドステージ(GS)藤沢」(神奈川県藤沢市)を購入者に引き渡す3日前の昨年10月25日、知人の設計事務所代表から姉歯元建築士が構造計算を担当した別の建物で改ざんがあったと知らされた。小嶋社長は同代表に「おれは知らなかったことにした方がいい。極力この問題は口外しないようにしよう」などと語ったという。

 さらに、引き渡し前日にはGS藤沢の改ざんも知らされたが、住民11人に代金約4億1400万円を自社口座に振り込ませ、だまし取ったと指摘した。

 小嶋社長は「購入者をだます意思はまったくなかった」などと述べ、自らの責任については「判断の過ちで民事的、道義的なものにとどまる」と主張した。弁護側は「捜査は政治的意図でなされ、違法」と公訴棄却を求めた。


弁護側が言うように、公訴棄却を目標にするのもいいとは思いますが、建築のシステムの問題点を洗いざらいぶちまけて欲しいと期待しています。特に、行政の関与が適切であったのかどうかを検証して欲しいと思います。

建築確認の問題も重要だと思いますが、違法建築の処分について手続きも滅茶苦茶でした。この裁判は、違法が発覚してからの滅茶苦茶な手続きが問題になると思います。

ところで、偽装が発覚したことは、耐震強度が不足しているということとイコールではありません。むしろ、オーバースペックの建物もあったくらいですから。

また、耐震強度の不足が、直ちに取引を中止しなくてはならない重大な問題であると断定できません。まして、偽装の発覚をもって、取引を中止すべき重大な問題としてよいのかどうかわかりせん。

公表以降になって、やっと判断基準のようなものが出来たにすぎません。当時は、些細な不具合と同列であるとしか評価されていなかったかもしれません。そんなはずはないと思いつつ、それが、実態だったと思います。道義的には許せない事ですが、刑事事件になるのかどうかは別です。

検察側の主張は、そのあたりを充分に吟味できていないように思われます。報道の通りだとすると、論理的には厳しいのではないかと思われます。

さらに、公表は、再計算の結果が出て、偽装によって耐震強度が深刻に不足しているということが確認されてから行われています。その経緯も問題にしなくてはならないと思います。

そっちの方に、気がまわっているようには、報道の限りでは見えませんが……。

「知らなかったことに」発言も、あの時点でどういう意味があるかを評価しなくてはなりません。すでに、耐震強度が不足し、重大な問題になってしまっているということを知っている今の時点の発想で考えると間違えます。

公表までのタイムラグこそ、この裁判の重大なポイントです。ただ、いつも書いて来たように、あの時点で、取引を中止していたら良かったのに。もし、そうしていたら、この人は英雄だったかもしれないとさえ思います。
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by gskay | 2006-10-05 23:54 | 真相 構図 処分