公団の違法建築 (このタイトルは不適切です)
朝日新聞が詳しく報じているので、引用します。89年という古い物件です。公団は、民間に対する建築確認制度とは異なる仕組みで建築確認が行われます。特定行政庁では審査はなく、通知のみとのこと。
書類は、保存されているはずでしたが、すでに、重要な書類が失われてしまっているとされ、検証の方法はなく、設計段階の意図を明らかにするのは、困難であろうと思われます。どういう経緯で、このような建物が生まれてきたのかは謎のままになることと思います。 URによる補償が行われることと思います。さすがに公的な団体であり、ヒューザーのようなことは、様々な意味で起こらないと思います。破産することはないでしょう。経緯の解明や、関係者に対する責任追及も、ヒューザーのようには行われないでしょう。 書類が整っていないせいで、施工より前の経緯は追及できないため、「施工不良」で済まされてしまうのかもしれません。
このような建物がなぜ造られてしまったのかという問題と同様に、問題に対してどのように対処してきたのかという点も重要です。このような建物が出来てしまった経緯に関心が集中しがちですが、旧公団の場合、いろいろあって、書類をもとに検証することができなくなっていて、追及は断念せざるをえません。 他紙では、設計の経緯を調査して、関係者の処分を行うという内容の報道もあるようですが、どうなることでしょう。建築の経緯にこだわっても、成果はないと思われます。むしろ、違法ではないかという疑いが起きてからの対応の的確さが問われるべきではないかと思います。同時に、書類の管理についても。 引用記事中の、「通常の設計を前提に計算した場合」というのが、何を意味するのか、私にはわかりません。このフレーズは、「2割増ししても耐えられる設計」を論ずる段落と関係しているのでしょうか?「実は、大丈夫」といいたいのでしょうか? 「評価方法によっては最低限の基準を満たし、違法とは言えない」という釈明は、技術に関する議論で、難しい問題です。これは、ヒューザー物件についてもいえることでした。もし、ヒューザーの時のような対応であれば、このようにのんびりとしていられたかどうかわかりません。まして、そういう釈明をしたら、何をいわれたことか……。 性能が足りない建物をどのように評価し、どのように対処するべきかということが、世間的にも、法律的にも、全くはっきりしていません。このケースもその問題を抱えています。 年数が経っている物件で、19戸という多いと評価するにも少ないと評価するにも微妙な戸数です。現実問題として、今後、どのように対応が行われるのか気になります。 (追記) 違法という表現は不適切ですが、タイトルは違法と言う言葉を残し、不適切であることを付記しました。本文中では、違法という言葉を減らしました。次のエントリは、このエントリへ訂正エントリになっています。 「2割」の意味もわかりました。「実は、大丈夫」のようですね。
by gskay
| 2006-10-12 10:22
| 揺れる システム
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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