国土交通省前事務次官の参議院出馬
私は、官僚のOBが国政を目指す事をいけないことだと思っていません。むしろ、優れた能力と豊富な知識と経験を、志の達成のために活用して欲しいと思います。

また、関連業界の数の力で選挙を戦うこともいけないことだと思っていません。選挙のためには、多くの人を結集することは必要です。そして、その支持者の意見や希望を国政に反映させることにも意味があると思っています。不特定の有権者に訴えて当選することと、組織に訴えて当選することとの間に優劣はないと思います。

ただし、それが、不適切な行動につながるのだとしたら許せません。選挙の違反や、政治家としての不適切な活動は、厳しく追及されなくてはなりません。特に、当選後の不適切な活動への追及が不十分ではないかと思います。変に政争の具になってしまうケースがある一方で、全く注目を浴びない密室で、不適切な利益誘導がまかり通っていたりしていると疑われています。そこが、不信の源になっているのではないかと思います。

来年の参議院の比例区から、耐震偽装発覚時の国土交通省事務次官を務めていた官僚OBが出馬するそうです。自民党から公認されています。

どの省庁OBでも、最近の比例区の選挙では、省庁や業界に関連した組織票が着実に減少しており、苦戦が強いらているようです。加えて、この候補の場合、耐震偽装に関連した判断について問題視する声が出ています。

この候補が自民党の公認になったということを自民党のサイトで見つけた時、ビックリしました。「あれ、この人って……」正直に言えば、反発する気持ちがなかったわけではありません。ただ、この人を良く知っているわけではありません。関係者として名前を聞いていただけです。

建築を巡る行政の仕組みや、業界のあり方を深く考えて行くと、彼にとっては仕方がなかったということが多くあったように思います。無責任で曖昧な体制しかない以上、いくら事務次官でも限界があったと思います。

このデタラメな建築の体制の中で、この候補が何を問題だと感じ、どのような意見を持っているかがポイントではないかと思います。問題の渦中で、もっとも大事なポジションを占めていた人物です。そこから、多くを学んでいることだと思います。それを、活かしていきたいということなら歓迎すべきではないかと思います。

事務次官としての限界に対し、国会からアプローチして改革するという志を持っての出馬であるかどうかを見極めたいと思います。もしそうなら、私にとっては同志であり、決して敵ではありません。

今のところ、主張らしい主張が流れていないので、何とも判断できません。その一方で、イーホームズからの批判が流れています。私は、イーホームズの主張を鵜呑みにするつもりはありません。

官僚OBを支える組織票が微妙である以上、是非、しっかりと主張することで、組織の外にも訴えていくような運動をして欲しいと思います。従来型の「利益誘導」を期待させるような運動ではなく、仕組みの大胆な改革による問題解決を目指した運動を展開して欲しいと願っています。

(とか何とか言っていますが、この事件に巻き込まれるまで、長い間、新聞も読んでいなかった位の不見識で、実は、参議院の比例区の選挙の仕組みは、最近まで知りませんでした。周囲の人に聞いても、わかっている人は少数でした。これは、これで問題ですな。)
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by gskay | 2006-10-26 16:57 | 政治と役所と業界