住民の参考人招致
国会に働きかける機会としては、これまで、自民党のワーキングチームのヒアリングがあったと聞いています。わざわざ、マンションまで来てくれたそうです。しかし、今まで、住民が、国会で発言する機会はありませんでした。

参院国交委も参考人招致へ 耐震偽装、19日に

参院国交委では、さらに一段階踏み込むことを期待します。

当事者となった住民は、誰も経験した事がない経験をしています。どのような問題があり、どのような対応が必要であるのか未知です。知ったかぶりで対応するのではなく、現実的に対応を検討していく機会だと思います。

考えてみれば、「被害の実態」と言っても、実際の地震の被害が出ているわけではありません。物が壊れたわけでも、人が傷ついたわけでもありません。

これは、地震の被害に対する予防のための取り組みの中で起こって来たトラブルです。法令違反であり、その法令が災害時の安全にかかわるということで、大掛かりな退去と物件の解体という私有財産の処分に進む事になりました。とはいうものの、その法令自体に大きな隙間があり、問題を大きくして来ました。

そのような「被害」の本当の中身は、誰もまだ知らないと思います。当事者でさえ、個別の経験をしているにすぎません。そうした経験を集約し、将来に活かせる形にしていく役目が必要で、参院がその役目を果たしてくれるのかもしれないと期待しています。

予防を行おうと思えば、断固とした態度が必要です。地震が起こる前に、地震への徹底的な対策を行うためには、相当の覚悟が必要です。対策には、犠牲が伴います。経費も計り知れないものになると思います。全く技術がないのなら、運を天に任せるしかないのでしょうが、今は、技術があります。それを活かすための犠牲も出費も惜しまないという覚悟が問われているのだと思います。

既存の仕組みを準用することでしか対応ができない行政の対応には満足はできませんでした。とはいうものの、誰も経験していない事だからと、あえて行政の指示に従っていくという方針をとってきたつもりです。それが、きちんとした制度として立法府によって対策されることを期待します。

衆院で行われているような事件の発端を明らかにしていくという営みも大切だと思います。しかし、これまで必ずしも芳しい成果が上がって来たとはいえないように思われます。司直の捜査も、警察庁長官に法令の不備を嘆かせる程、困難になっています。

その一方で、後始末の方は、別の視点から行われる必要があると思います。その努力が、参院という場で眼に見える形になってきたのだと考えたいと思います。

様々な問題に後始末をつけなくてはいけません。安全に対するパニック。対応もないのに出てしまった使用禁止命令。見通しのはっきりしない行政の対応。建築確認の位置づけ。無責任な業界の体制。買い手の努力の余地が欠けた分譲システム。曖昧な形の公費負担。諸々の風評。住民バッシング。……。将来のために、様々な問題を議論し、根本的に正していく必要があると思います。そのために、犠牲や被害を直視しなくてはなりません。

ところで、蛇足ながら、広くて安くて快適なマンションをもっと増やせるような工夫も必要だと思います。その快適さは、諦めるべきものではないということも住民が語ることができます。取り組むべき価値があります。今回の事件が、狭くて高くて快適でないマンションに対する追い風になるようなことになったら、別の意味で不幸なことだと思います。
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by gskay | 2006-01-13 23:54 | 政治と役所と業界