建築主事をおかない市の物件
稲城の建て替えが決まったという報道がありました。稲城市は、建築主事をおいていない市で、この物件の特定行政庁は東京都です。

耐震偽装に関連した公的な対応については、国、都および県、それに特定行政庁をおく市および区が費用負担をすることになっています。稲城市に関しては、市としての対応はなく、その分も都が負担しているのだと思います。

稲城市は、公的な対応への負担を拒否したという経緯があります。特定行政庁ではない以上、当然なのかもしれません。稲城市は、建築確認などの検査にはかかわっていないし、取り締まりの権限も持っていません。使用禁止命令などの処分を行うことができません。

稲城市が負担を拒否するという発言をした時、対応の是非の問題にからめて取り上げられたこともありました。そうした取り上げ方は誤りであり、稲城市の発言は、特定行政庁が負う責任とは関係ないという発言に過ぎないものでした。国土交通省が主導する公的な対応の是非とは関係ない話です。

現時点で、国土交通省が主導する公的対応に対して独自の路線を貫いているのは、横浜市です。また、Qu/Qun<0.5の姉歯による耐震偽装物件であるにもかかわらず、非ヒューザーであるためか、公的な対応の枠組みから外れている物件もあります。

その2物件を除く残りの10物件は、概ね、国土交通省の公的な対応の枠組みにそって、うまく進んでいると言えるのかも知れません。少なくとも、仮住まいへの退去は完了しています。さらに、多くが建て替えの方向に進んでいるように思われます。その点については、市に建築主事が置かれているかどうかは問題にはならないのかもしれません。

ただ、それぞれの事情に合わせた細かい対応を考えると、市や区が関わることのメリットがあるように思います。今後、市町村の合併で大規模の市が増えると、都道府県が直接関与する割合は減って行くのだろうと思われます。
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by gskay | 2006-11-27 19:09 | 公的対応