アパの耐震偽装
アパの耐震偽装については、断片的に聞こえてくる情報を聞くかぎり、時間の問題で公表されるであろうと思っていました。私の周囲では、アパの耐震偽装についての隠蔽工作があったとみる雰囲気があります。藤田さんの著書もそれを扱っています。私には、わかりません。別の見方をすると、そんな大それたことではないかもしれません。

また、アパの耐震偽装の隠蔽のために、藤田さんの刑事告発が行われたかどうかについても、私にはわかりません。今のところ、アパの耐震偽装を担当していた官僚や、藤田さんの刑事告発を担当した捜査当局が、そのような意図をもっていたと断定する根拠はなく、もし、そのような意図があったとしても、その目的は達成されたとは言えないようです。

とりあえず、藤田さんの糾弾が実を結ぶ方向になっているように見えますが、「悪徳」業者を叩いたところで、問題の本質には迫れないし、対策も実現できない事と思います。

ところで、アパの耐震偽装については、偽装そのものについて、建築主がどの程度の影響力を持っていたかが問題になります。関与は、否定すると思いますが……。

姉歯や浅沼などは、構造設計の能力がないのに、誤摩化していたケースですが、アパの場合は、もっと深刻で、かつての「構図」に相当する背景が、ひょっとするとあるのかもしれません。

姉歯や浅沼のケースは、「ばれないといいな」という犯行で、こっそり行っていたものでした。浅沼のケースはともかく、姉歯のケースは、本人の思わせぶりな発言と状況や登場人物のキャラクターによって、「構図」が作られてしまいました。基本的に、建築主も施工も、元請けの設計事務所も、ヒューザーの小嶋社長の言うところの「玉突き衝突の被害者」だと、私は考えています。ただし、責任の有無は別です。

そのような「玉突き」であるかどうかは、微妙です。姉歯や浅沼は、元請けに書類を提出したところで、彼らの関与は終わりでした。しかし、アパのケースでは、確認申請後にも、どうやら関与の痕跡がみられるようです。

すでに、アパの問題は、建築中のマンションの問題が、6月の国会の委員会で取り上げられており、「隠蔽」と言えるかどうかはわかりません。少なくとも、確認申請に提出された書類が不適切に処理されていたというようなことが明らかにされています。それに関連した調査が続いていたと考えることもできます。今後、発覚後の経緯についても不整合のある部分が出て来るかもしれません。

偽装の経緯とともに、発覚や公表、処分の経緯についても、かなり慎重に真相を見る必要があると感じています。今までの経験からみて、公的な見解に対しても、メジャーなメディアに対しても、完璧にフェアであることを望むのは困難であろうと思います。彼らの能力や、彼らの意図、彼らの背景にある事情を差し引いて受け止めなくてはいけないと思います。

アパが、政治家を使って、問題を封じ込めようとしていたかどうかについては、解釈次第だと思います。政治家とともに問題に取り組むこと自体は不当ではないと思います。政治家に相談したり、政治家とともに問題に取り組むと、すぐに不当な圧力を行使したとか不当な介入だと騒ぎ立てますが、それには、疑問です。問題に対して、政治家が頑張ること自体は望ましいことでは?ただし、「不当」はダメです。
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by gskay | 2007-01-25 18:54 | 揺れる システム