耐震偽装捜査が及ぼしたインパクト
久しぶりに、ヒューザーのマンションを購入する際にお世話になった元営業さんに会いました。再就職して頑張っておられるようでした。というより、むしろ、頑張り過ぎかも。ヒューザーで混乱に巻き込まれただけに、過剰に頑張ってしまうのかとも思いました。ご無理なさらぬように。

この元営業さんは、拙ブログを読んでくれているとのこと。拙ブログでは、ヒューザーには経理の不正が見つからなかったらしいということを書いたことがあります。それに関連し、「そうなんですよ!」と胸を張っていました。

平成17年12月に行われた捜査で、根こそぎ押収された資料をひっくり返しても、罪を問う事に都合がよいような経理の不正は見つかってはいないのではないかと思われます。もし、経理の不正があれば、有罪にするのは簡単です。

小嶋社長の詐欺容疑は、検察にとっても裁判が難しいと思われ、罰を与える根拠なら、おなじみの経理の不正の方が良いと思われます。しかし、その尻尾をつかむことはできていない様子。

捜査当局にとっては、経理の不正を暴くのはお手の物。にもかかわらず、見つかっていないのは、そもそも、尻尾を出していないとか、見落としているのではなく、そういう不正はなかったということかもしれません。

ところで、ヒューザーは、究極の「悪徳」業者のような言われようでした。破産に至ったことを、当然の報いだとする評価もあります。

私は、もともとは、ヒューザーには、破産しないで欲しいと考えていました。しかし、マンションも売れなくなって、経営が苦しくなり、従業員も雇い続けられない状況になって、もはや復活は絶望的となりました。この時点で、破産は仕方がないことだと考えるようになり、住民からの申し立てに賛同しました。

この申し立てに賛同したことに後悔はありません。しかし、今、その判断の材料となった前提となる見立てが充分ではなかったと反省しています。元営業さんと話した事を反芻してみて、経営が追いつめられるにいたる大事なステップを見落としていたことに気付きました。

問題が公表され、大きな問題として取り上げられた時点で、ヒューザーの運命が決まっていたと思い込んでいました。もう商売が成り立たなくなったのだからと。

しかし、よく思い返してみると、従業員が退職するまでには、公表から50日程度を要しています。始めの1ヶ月くらいは、本気で危機を乗り越え、再評価によって事業を盛り返し、瑕疵担保責任も果たせると考えていたのではないかと思います。

しかし、それが不可能になった。そのきっかけは、捜査による資料の押収だったのではないかと思います。

資料として企業活動に必要な書類もコンピューターも何もかも押収されてしまえば、事業の継続は困難になります。大企業で、捜査されたのが一部のセクションにとどまっていれば、持ちこたえることもできるかもしれません。しかし、ヒューザーのように事実上、マンションデベロッパーとしての事業しかしていない場合、捜査による資料の押収は、企業活動にトドメを差すことになります。

風評などにより、企業の成績が悪化した事が、ヒューザーの息の根をとめるきっかけだと考えていました。しかし、どうもそうではなかったのではなかと、今は考えています。

結局、資料は、捜査当局にとって、どれだけ事件の解明に役立ったのでしょうか?

調べてみなければわからなかったことでしょう。しかし、そのために事業が続けられなくなることもあるわけです。その影響はとても大きなものです。

そのような意図があったかどうかはわかりません。ただ、間接的にせよ、結果がそうなっています。悪事を暴くことよりも、企業の息の根を止めるという効果の方が、大きかったように思われます。行き当たりばったりの恣意的な捜査で、企業活動に重大な支障が生じてしまうことは、なるべく避けてほしいと考えます。

新たな耐震偽装の発覚、公表においては、ヒューザーに対して行った捜査との間に不公平にならないような配慮が必要だと思います。例外無く捜査を実施するのか、それとも、ヒューザーに対して行った捜査の反省の上で冷静に対応するする方針であるのかをはっきりさせて欲しいと思います。
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by gskay | 2007-01-29 08:43 | 真相 構図 処分