選挙の作法
選挙は公営です。公職選挙法をはじめとする法規に則らなければなりません。また、後援会などの政治団体も法律によって規制される公的な存在です。公的な資格で、公営選挙に取り組まなくてはなりません。

言論にしても、結社にしても、自由であるべきだと思います。表現の方法も、工夫を歓迎すべきだと思います。そうした自由と規則との関係は、冷静に受け止めなくてはならないと思います。

政治団体を組織するのは自由であるものの、届出なければならないとされています。また、選挙における文書・図画による制限は、くだらない規則かもしれませんが、公営である以上、既存の規則の遵守は必要だと思います。

政治団体については、届出ればいいわけで、少なくとも、設立が禁止されていない点で、自由は確保されています。文書や図画についても、主張の中身までは、制限されていないので、言論の自由も確保されてはいると思います。

ただ、現状にふさわしいかどうかは別の問題だと思います。

引用の記事では、勝手連と「政治団体」との関係や、インターネットと「文書・図画による選挙運動の制限」との関係が問題になっているのだと思います。

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 愛知県知事選の石田氏支援者「ミクシィ」で選挙支援


2月6日3時9分配信 読売新聞

 4日投開票された愛知県知事選で落選した前犬山市長の石田芳弘氏(61)の支援者が、インターネットで会員同士の交流ができる「ミクシィ」のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に、会員制ページを開設し、石田氏への支援を呼びかけたり、事務所スタッフを募集したりしていたことが5日、わかった。

 県選管は「インターネットの選挙運動への利用を禁じた公職選挙法に抵触するおそれもある」としている。

 会員制ページは、“勝手連”を名乗る支援者によって、知事選告示前の1月5日と8日にミクシィ上に二つ開設され、それぞれ50人と23人が参加。告示日の18日以降は、石田氏の街頭演説や個人演説会の予定を紹介して、参加を呼びかけていたほか、事務所のボランティアスタッフも募集していた。

最終更新:2月6日3時9分
読売新聞


インターネット上のコミュニティーが政治団体といえるかどうかが、問題になると思います。ハンドルネームだけで、議論に参加できる場が生まれていて、今後、力を発揮する可能性があります。それを届出を必要とするのなら、さっさと、ルールを決めて欲しいと思います。

また、インターネットに文書や図画を掲示することと、ビラやポスターなどの制限とを同じ枠組みで考えていいのかどうかわかりません。ポータルサイトの広告やアフェリエイトの活用とも関連させて考えると、野放しには問題を感じますが、インターネットでの情報発信の価値は、民主的な選挙を効果的に行う上では、前向きに検討すべきだと思います。

過渡期と位置付けられる時期なのかもしれません。ただ、そういう過渡期になって、すでに随分と時間が経過しているので、さっさと対応しておくべき問題だったのではないかと思います。

ところで、国政レベルでいえば、「政党」は、政党交付金の受け皿となって、公的性格が強くなっています。設立や編成、再編成などは政党が自律的に行うとしても、実質的に、国政レベルの政党は、「公設」になっていると思います。

野放しにしていると、政治に費用がかかり過ぎ、新規の参入の閾が高くなってしまいます。腐敗や行き過ぎに繋がります。むしろ、公設にしておいた方が良いと考えているのが、現在の制度だと思います。

しかし、考えようによっては、政治自体が、既得権を持つものに有利な仕組みになってもいます。実際、世襲化が進行しているのではないかと思います。政治団体が、機に応じて立つという状況でもなく、ますます固定化し、陳腐になっているのではないかと思います。

費用についての制限はできたのかもしれませんが、仲間内の閉じた世界になってしまっていて、結局、政治への新規の参入や、参加を希望する人の裾野を拡げることはできていないと思います。そして、政治ばなれし、地盤が沈下してしまっているように思います。

このような状況で、政治がインターネットを利用する自由度を活用することには意味があると思います。発言の場が広がるだけでなく、主張の発信や議論のコストが減少する事が期待できるように思います。

弊害や逸脱も事前に考えておかなくてはならないものの、対応する規則の不整備を棚にあげて、インターネットでの活動を非難するのは適当ではないと思います。一方で、規則の整備は、政治的にキチンと行われるべきであり、運動を目指す側も、ゲリラ的な行動は慎むべきではないかと思います。

(追記)
政治活動専用サーバーのようなものを、公的に設置してもよいのではないかと、考えました。
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by gskay | 2007-02-06 11:08 | 政治と役所と業界