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売り主が大手の場合の対応
耐震偽装で、ヒューザーが破綻してしまったことを教訓に、「簡単につぶれないような大手の売り主から買っておけば、問題があっても平気。だから大きい会社から、買うべきだ!」という説があります。

大手だから安心とか、値段が高いから安心というのは幻想です。大手から購入しようが中小や新興の売り主から購入しようが、安い物件であろうが高い物件であろうが、「ババ抜きのババ」を引く可能性があることには変わりません。

また、耐震偽装は、見抜く事ができるというのも幻想です。費用のかかる再検査をしない限り耐震性能は評価できませんが、その評価も主観的に設定を変更できる余地が多いためにバラついてしまうものです。図面をみれば、一目瞭然だというのは暴論です。

つまり、問題を回避するための努力に、確実なものはありません。

そこで、問題発覚後の後始末を問題にして、大手のアドバンテージを探そうとしているようですが、大手なら問題発生後の対応が適切だというのも幻想ではないかと思います。

耐震強度偽装: 住友不側が請求棄却求める 札幌の偽装マンション訴訟


2007年02月02日
 札幌市の浅沼良一・元2級建築士による耐震強度偽装問題で、強度不足が明らかになった同市北区の分譲マンションの住民2人が、販売した大手不動産会社住友不動産(東京)に購入契約の解除と、代金の返還など総額5760万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が2日、札幌地裁(坂本宗一裁判官)であり、同社は請求棄却を求めた。

 浅沼元建築士がかかわったマンションの住民による初めての訴訟。同市中央区のマンション1棟の住民も住友不動産に購入代金の返還を求め提訴している。

 答弁書で住友不動産側は「住民には購入価格での買い取りという最大限の提案をした。契約解除と賠償請求は法的根拠がない」と反論した。

 原告2人は1人当たり2400万円の購入代金に加え、代金の20%の違約金をそれぞれ請求している。

あるいは、

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <耐震強度不足>売り主の住友不動産、請求棄却求める 札幌


2月16日15時37分配信 毎日新聞

 札幌市の元2級建築士による耐震偽造が判明した中央区の分譲マンションの住民11世帯が「消費者契約法違反に当たる」として、売り主の住友不動産を相手取って総額約3億7000万円の返還を求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、札幌地裁であった。住友側は「強度不足は軽微で違反ではない」として請求棄却を求めた。

最終更新:2月16日15時37分

購入者が納得できるような解決の仕組みはなく、供給側に有利です。解決までに時間がかかれば、負担に耐えられなくなるのは、購入者ではないかと思います。

また、たとえ、購入者に有利な判決が出たとしても、誠実に迅速に業者が対応するとは限りません。

結局、不都合のツケは、購入者が背負うことになるようです。

安心できる確かなものは、何もありません。

マンションというのは、おそろしくリスクが高い買い物になってしまっています。

その原因は、関係者の役割分担や責任分担が明確でないまま放置されてきたからだと、私は考えています。逆にいえば、その欠点を解決すれば、安心してマンションを購入する事ができる仕組みができるということだと思います。
by gskay | 2007-02-19 10:55 | 揺れる システム