証拠物件
うちのマンションは当初、刑事告発の対象になる物件には含まれていませんでしたが、捜査のための証拠物件にしようという方針があるようです。解体のプロセスから、様々な問題を立件して行こうとしているのだと思います。

わりと早い時期から、証拠物件になるかもしれないという話題はありました。当時は、証拠物件になると、解体に時間がかかり、建て直しまでの時間が余計にかかるので、困ると考えていました。退去や解体についての、公的な対応が具体的になる前で、方針が二転三転していた時期でした。退去も解体も建て直しも、自分たちで済ませなくてはならないと覚悟していた時期で、いかに負担を少なくするかを考えると、時間をとられる捜査や調査には前向きになれないと考えていました。

公的な対応が行われている現在は、そうした負担を度外視して、多少の時間的ロスを受入れるべきであると考えています。受入れる基盤も出来ています。

もともとは、設計と確認のレベルの問題でした。偽造計算に基づく設計図とインチキな建築確認という動かぬ証拠があります。このため、このマンションが適法な性能を有している可能性は、ほとんどありません。今さら、調査しても状況は改善しないでしょう。

しかし、設計や確認のレベルだけでなく、施工の段階についても疑問が出ています。様々な調査で、他の物件には施工のレベルでの問題が指摘されています。このマンションも、その可能性を否定できないと思います。

今回の事件は、「偽造計算による違法な設計図」とそれを見逃した「杜撰な建築確認」という特殊な事件として世の中に知られることになりました。しかし、世間に多くある施工レベルの欠陥マンションと同じ問題を共有している可能性も濃厚だとされています。

今後、偽造計算や建築確認についての追及に留まらず、施工による欠陥についても追及の手がのびる可能性があります。

これまで、施工による欠陥については、立証が難しく、曖昧のまま放置されているケースが多かったと思います。買い手である住民が問題を明らかにしても、その責任を業者に認めさせることは、困難なことが多かったように思われます。公的な捜査や調査の対象にするのも難しかったようです。

今回、設計や確認の問題により、公的な捜査や調査の対象になりました。いかに、違法なマンションが作られたのかを検証することで、施工の問題も明らかになってしまうでしょう。そうなると、施工の責任を問う事にも発展することになると思います。

施工の責任を今回追及しておくことは、将来、世間に多く存在する施工レベルの欠陥マンションの責任追及のひな形となる可能性があります。今回の捜査や調査の結果の全体から、設計や確認の問題を除けば、違法な建築物に対する施工の責任も明らかになるものと思われます。

偽造問題にとっては、副次的な問題ですが、耐震安全が損なわれているという問題にとって、施工の責任を無視する訳にはいけません。数知れず存在するといわれる施工による欠陥マンションの責任追及の第一歩になればいいと思います。

ただ、そうなると、ますます責任の位置づけが複雑になってしまいます。それが、大きな悩みです。

設計と確認の段階で問題が発生しているのは確かです。そこが、今回の一連の問題の根本にあり、公的な対応の対象となっています。

しかし、さらにその状況を悪化させる施工が問題として加わると、結果としてできてしまった違法建築への責任は複雑になります。問題に問題が重なって、何が問題であるのか解りにくくなります。

刑事については、徹底的に責任を追及しているのがいいのだろうと思います。しかし、民事においては、複雑な責任関係をどのように解釈するべきかに苦慮します。

住民としては、売り主であり建築主でもあるヒューザーに責任を迫り、ヒューザーが問題の業者や機関とやりとりをするのが簡単です。しかし、それが可能かどうかは、微妙な情勢です。
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by gskay | 2006-01-23 10:33 | 真相 構図 処分