「規制緩和」がなかったら?
耐震偽装は、規制緩和の負の側面の象徴であるという通念があります。しかし、私は、そうではないと思います。

耐震偽装は、民間検査機関への建築確認や検査業務の開放より以前から行われており、特定行政庁の建築主事が見落としています。その見落としは、民間開放後に特定行政庁が行った建築確認や検査でも続いています。

通常の検査では、誰も耐震偽装を見抜く事はできませんでした。民間開放によって、業務の程度が下がったとは言えません。もともと、低く、それが開放後も、特定行政庁でも民間機関でも向上しなかっただけなのです。

これは、構造設計という業務や検査のシステムの根本に問題があって、どうしようもないことなので、特定行政庁や民間機関を責めるのは、あまり意味がないことですが……。

民間開放と言う規制緩和を悪玉視することは、耐震偽装に関する限り誤りです。むしろ、民間検査機関が果たした役割を積極的に評価すべきだと思います。検査で見逃したことだけを問題にすると、ポイントを見失います。発覚に至る経緯こそ重要です。

もし、「独立系」のイーホームズが、問題の重大さを認識し、対処のために行動をおこさなければ、耐震偽装が表に出ることはなかったと思います。

そもそも、問題については、誰も気付いていませんでした。問題に気付いた人から指摘があっても、その問題の重大さを認識できず、対処しようとしなかった機関もあります。

その一方で、イーホームズは、耐震偽装の公表に積極的な役割を果たしてます。また、再検査についても他の機関よりも積極的に実施していたとされています。

民間開放によって生まれた「独立系」のイーホームズがなければ、耐震偽装はそのまま続いていたり、見過ごされていたかもしれません。ことによっては、隠蔽されていたかもしれません。

民間開放と言う規制緩和は、耐震偽装に関する限り、積極的に評価されるべきです。
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by gskay | 2007-02-28 11:16 | 安全と安心