偽造計算の動機/スケールの小さいせこい事件なのでは?
本人に聞いていないのでわかりません。しかし、多分、よりたくさんの注文をこなしたかっただけだと思います。

素人の想像です。

Qu/Ounという値でいえば、1.0を越えていなくてはならないとのこと。最初のデザインで1.5だったとする。コスト削減のためには、それをさらに下げるためにもう一度デザインする。それで1.2になったとする。でも、もう少し頑張れるかもしれないと思って、デザインしてみたら0.95でアウトだった。……というようなことを繰り返し、経済的な設計を行うのだと思います。

それぞれのデザインについて、きちんとデザインし、きちんと計算すると数百ページ。それを何回も繰り返し、ベストの値をみつけるのは、時間もかかるし、根気がいる。

しかも、経済設計の圧力は高まるばかり。1.0から離れると、注文主から怒られるし、下回ると違反。1.0なんて、簡単に実現できるもんじゃないと思います。

しかし、ここで、「1.03ですがどうです?」って、計算は適当に偽造して出したら、注文主は喜んだ。

何も、面倒な計算なんてしなくったって、怒られない結果をだせるじゃないか!偽造しちゃえばいい。しかも、難しいし膨大で、どうせ誰もわかりはしない。ばれなきゃ、平気。(というか、はじめは建築確認がでないと思ったけど、見落としてくれる検査機関をしっているんだよね)

偽造しちゃえば、時間もかからないから、たくさんの注文をこなせる。

仕事が速くて、希望通りの経済設計で、注文ザクザク。

っていうような、かなりスケールの小さい動機を想像しています。

殺人マンションの元の設計図は、こんな低レベルな理由で作られたような気がします。

その殺人マンションの設計図を、検査機関は、検査料をとっておきながら、ろくに検査をしないで合格させ、普通のマンションの設計図として確認してしまう。以後は、建築確認された設計図としてひとり歩きしてしまう。

本来、こういうインチキな設計図が出てこないように監視するのが、建築確認の目的ではなかったのですか?

定められた手順を踏んでいなかったそうです。検査は、高度で専門的な仕事ですからきちんとしていて欲しかった。細分化された専門家が共同で作業を分担しているわけです。それぞれの担当以外を検証するのはとても難しいことです。

現場で文句をいうのは無理です。構造のスペシャリストの計算により設計され、検査のスペシャリストが確認した設計図に、現場が文句をいうとは思えません。

たとえば、鉄筋が少なくても、「これで建築確認を通るなんて、達人の計算だ」と関心されてしまっていたのではないかと思います。

確かに、殺人マンションを企画したのはヒューザーです。そして売ったのもヒューザーです。ただし普通の適法のマンションとして。この適法性は、建築確認されたことが前提になっていたのではないでしょうか?

しかも、着工以後も検査においても、中止させることができたはずですが、イーホームズは注意を怠っています。そして完成し、分譲されてしまった。

殺人マンションが普通のマンションに化けてしまった部分は、イーホームズに責任があると思います。それを、ヒューザーが、「経済設計」として利用していたかもしれませんが、適法性を与えてしまったのは、イーホームズです。

殺人マンションの設計図は、突き返されるのが当然です。そうすることで、安全が保たれるのですから。百歩譲って1回くらいの見落としはあるかもしれません。しかし、これだけまとめてミスしてしまうのは、怠慢です。この作業さえしっかりしていれば、殺人マンションが、適法のマンションとして着工し、完成し、分譲されることはなかったはずです。当然、住宅ローンもなければ、引越も、新品のまま壊される設備もありませんでした。

全てが済んでから、あれは、調べてみたら違法でしたと言い出しても、もう遅い!それを言うのなら、建築確認の前に言って欲しかった。

イーホームズは、やるべき事をしていないし、払うべき注意も払っていません。そして、責任逃れをしている。だから許せません!(といっても、実際に可能な仕事ではないのかもしれませんが、)

結局、手間をおしむというせこい理由で犯罪的につくられた違法な設計図が、手間をおしむというせこい検査会社によって適法な設計図に化けてしまいました。その適法とされた設計を、以後は、いつもの適法なマンションとして、着工し、完成し、分譲が行われたというだけだと思います。

それに追い打ちをかけているのが、建築確認に誤りはないという前提の社会システムです。

建築確認に誤りがあるかもしれないという前提で、建築の仕事は行われているのですか?そうではなく、建築確認には誤りはないという前提があり、法令も、誤りを想定していないのではないですか?

このため、反省が無く、誤った建築確認が繰り返された。

建築確認には誤りはないという前提しかないので、誤りへの対応もない。だから、対応もできず、大騒ぎをしている。

検査機関が、誤った建築確認を出さないというなら、こんな事件はおきません。しかし、誤りはある。そして実際に起きた。

今回の事件では、他の検査機関も建築主事も似たり寄ったりだろうという諦めの機会を与えてくれました。建築への信頼を根本から揺るがすものですが、これが実態なのかもしれません。

損害の規模があまりに巨大です。そして、多くの人を巻き込んでいます。しかし、真相は、スケールの小さいせこい事件ではないかと思います。

それを、ヒューザーが利用したかどうかは、別の問題です。

裏があるのかもしれません。陰謀とか、巨大な詐欺とか、黒幕などと、想像をかき立てます。

しかし、私は、多くの人が期待しているような高尚なミステリーではなく、こんな低レベルな出来事が本質ではないかと思っています。

それを、利用するシステムがあったかどうかというのがポイントなのでしょう。そういうことが明らかになるものなのですかねぇ?

命を絶った人もいます。騒ぎの中で登場した小嶋社長のキャラクターもあまりにさえています。政治家も登場します。多くの人の想像力に訴える要素がそろっているのだろうと思います。

ただ、それが立証されても、自分の境遇には、関係ないかも?

誰が火をつけたのかという議論より、どう火を消すかというのが、私には大切な議論でした。先に進むために、こういう問題へのこだわりを捨てようと思います。
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by gskay | 2005-11-30 04:20 | 真相 構図 処分