再開発へ
耐震偽装の都内のヒューザー物件で建替えが必要なマンションでは、最後になってしまいました。

姉歯物件は、最初の耐震偽装物件とされる別のマンションが中央区内にもう一つありますが、これはヒューザーでなかったためか狂騒にはまきこまれず、売り主も健在で、売り主、住民、それに区が協力しながら建替えにすすむのだと想像しています。

ところで、これまでの建替えについては、住民主体で迅速な建替えを進めるという方針と、自治体と綿密に調整をするという方針がありました。住民主体の迅速な建替えは、仮住まい期間が延びることによる損失の増加をおさえることができます。一方、自治体と綿密な調整をした上での建替えでは、資金面をふくめた様々な問題を解決してからの建替えなので、安心して取り組むことができるのではないかと思います。

手法には差があるものの、いずれも、建替えであり、同じ土地に、同じような建物が建つことが前提にあると思います。

一方、茅場町では、建替えではなく、再開発という方向が打ち出されました。

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姉歯物件、再開発で高層ビルに GS茅場町

2007年05月30日08時03分

 姉歯秀次元建築士による構造計算書の偽造で、耐震強度が「0.41」とされた東京都中央区のマンション「グランドステージ(GS)茅場町」(13階建て、36戸)が、再開発事業として隣接のテナントビル(8階)と共同で高層ビルに建て替えられることになった。住民、テナントビル、区が合意したもので、これまでと同じ広さが確保でき、居住環境も良くなる。建て替え対象11マンションで、再開発事業による再建は初めて。
 計画では、GS茅場町とテナントビルの敷地計約1000平方メートルに20階建ての再開発ビルを建てる。下層階はオフィスなどにあて、9階以上がマンション部分で、各階に3戸ずつ入居する。

 1戸当たりの追加負担は3000万円前後になる見通しだが、広さはこれまでと同じ約100平方メートルが確保できる。単独での建て替えに比べて、高層階になるために見晴らしが良くなるなど住環境面でのメリットがある。

 個人の施工による第1種再開発事業で、総事業費20億〜30億円のうち2〜3割が国などの補助対象となる見通し。空き地などを設ける総合設計制度を活用することで、ビルの高さや容積率が緩和され、大型の建物の建設が可能になる。再開発事業のため、転売には一定の制約がある。

 震度5強の揺れで倒壊の恐れがあるとされる耐震強度「0.5」を下回ったGS茅場町は、敷地が560平方メートルと狭いうえにL字形で、三方をビルに囲まれている。現在の敷地で建て替えると、高さ制限や容積率などから現在よりも、各戸の広さは約2割程度減る。このため、昨夏から住民、隣接ビル、中央区が調整を進めてきた。

 今後は建設業者を決め、本格設計に入る。順調に進めば来年中に解体し、3年後に完成の予定だ。

 住民のひとりは「追加負担は高額で二重ローンが大変。しかし、中途半端な建て替えをするより、安全で夢の持てる建物をというのが全住民の希望だ」と話している。

 姉歯元建築士の耐震偽装で、国が建て替え支援の対象としたマンションは11棟。「GS茅場町」と「GS藤沢」(神奈川県)を除く9棟で再建案がまとまっている。

区が注目したポイントは、記事にもあるように「L字形」という変形した土地ではないかと思います。土地が充分に広かったり、利用しやすい形であったなら、ヒューザーが取得してマンションにすることはなかったのではないかと思われる土地です。

特に、「形」に問題があったと思います。ヒューザーが展開する100平方メートルの部屋を組み合わせるとうまくおさまりますが、逆に言えば、あのプラン以外は考えにくいような土地でした。

ところで、土地は様々な理由で細切れになっています。その利用や所有に関し、野放しにしていると、このマンションの土地のような中途半端な土地が生まれ、都市開発に差し障りがでてしまいます。

今回は、隣接する古くなったビルとの共同化によって、細切れ状態を解消でき、問題のL字形も解決することができそうです。また、総合開発による空き地の確保など、街の環境に貢献することができるとのことです。

中央区は、土地を高度に活用する必要性が高い場所ですが、高度な活用が難しい状況もあります。古い危険な建物が、細切れになった土地に立ち並んでいるような場所も少なくありません。そうした街の再開発を手がけてきた中央区ならでは手法が用いられ、再開発に進むことになりました。

このマンションのある一画については、共同化により、土地を高度に利用できる方向性ができたということになると思います。
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by gskay | 2007-06-05 23:29 | 建て直し