「最悪でも……」
耐震強度は、計算の前提になる部分が、計算する人の主観に左右されます。計算の仕方によって数値が異なることは仕方がないことです。ただ、どのようなデータを利用して計算するのかということについては、実態に即した数値を利用するのが妥当だと思います。
主観に左右されること。計算のプロセスに仮定がたくさん含まれていること。解析が数学的に単純化されすぎていること。などなど。 絶対の数値のように扱われるには問題がある数値でしかないようです。一般的には、耐震性能を表す絶対の指標と考えられているようですが、実際のところ、どのように扱うべきか再検討すべきです。 実際の地震で何がおこるのかということを表す数値というより、規則が要求する数値という性格が強い数値になっています。今や、この数値を基準に考えるのは、技術の問題ではなく、制度の問題になっているようです。 欠陥のあるマンションの紛争でも、耐震強度を巡った争いが行われるようになっているようですが、民事の紛争では、この数値を巡って争うのは難しいのではないかと思います。計算によって異なってしまう数値で、いつまでも再計算を繰り返し、この数値を巡って議論が進展しない可能性があるからです。 費用と時間がかかる再計算は、拘泥しすぎてはいけないのかも知れません。 姉歯元建築士ほかの第一次の耐震偽装事件では、計算した本人が偽装を認めていることと、行政の判断による措置が講じられている点が重要です。 これに対し、アパほかの第二次では、計算した本人は偽装を認めておらず、強度については解釈の違いであると粘っています。行政は措置を講じているようですが、第一次の対応とは温度差があるようです。アパでは、確認や検査後の数値の差し替えの手続きの問題が発端で、結局、強度の低下が指摘されるにいたったという事件だったのではないかと思います。 耐震性能についての争いというより、妥当な図面を計算に選んだかどうかや、手続きが妥当であったかというような点が問題として重要視されるように変化してしまったような気がします。 とりあえず、建築確認の申請では、不適切な修正が認められない制度になったようですが、修正に限って言えば、融通がきかないため、負担が重い面倒な仕組みになってしまっているようです。 ところで、横浜については、建て替えや補修についての判断が柔軟であり、適切でない再計算については問題であるものの、今後の対応については、あまり数値に拘泥せずに最も適切な方向性を見いだしていくのではないかと期待されます。「0.5」という数値をクリアしているからといっても、ほかの条件も考慮した対応になるのではないかと想像します。
by gskay
| 2007-06-25 00:31
| 安全と安心
|
耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
以前の記事 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 うちの部屋 検索 カテゴリ その他のジャンル ファン 記事ランキング ブログジャンル 画像一覧 |
ファン申請 |
||