国土交通省OBの選挙
4月の統一地方選挙では、札幌市長選挙に前国土交通省技監が挑んで敗れています。河川が専門と思われる経歴の持主です。

参議院選挙では、前国土交通省事務次官が自民党の比例の公認になっています。土木や道路が専門だと思われる経歴です。耐震偽装の発覚以降の一連の動きを、官僚のトップとして仕切った人物ですが、建築は専門外だったようです。

国土交通省の対応には、いろいろと適切でないと思われるところがあって残念です。もし、その反省を政治に活かすというのなら、素晴らしいことだと思います。しかし、そういう姿勢ではないようです。

いくら当時の責任者だったからといっても、専門外では仕方がないのかもしれません。選挙にむけた活動でも、耐震偽装やその対応については、問題として積極的に取り上げてはいないようです。

選挙で勝つためのポイントはいくつもあり、経歴も、業界を含めた組織も、人柄も、選択のためのプラスの評価になると思います。その評価を当選に必要な得票以上にあつめれば、当選できます。

いくら不人気であったり、問題があっても、マイナスの投票をする制度はないので、政治家に「ノー」をつきつけることはできません。別の候補を応援して対抗するのが、せいぜいです。

参議院の比例の場合、党の得票により当選者数がきまり、その枠内で個人の得票順に当選者が決まるという仕組みになっています。このため、とにかく党全体の得票を増やすために、党はなりふりかまわず候補を擁立する必要があります。

候補としては、党内での順位を上げるための個人の得票が必要です。自民党であれば、20万票は確保しないといけないようです。候補によってそれぞれの戦略があると思いますが、官僚OBの場合、大抵、関連業界を含めた組織固めが有効ではないかと思います。

ところで、4月の札幌市長選挙では、前技監は、36万を得票しています。

選挙のやり方が全くことなるため、単純に考えるのは無理だとしても、参議院の比例の当選のラインは超える可能性が高いのだろうと思います。

加えて、民営化批判、規制緩和批判は、官僚OBにとって追い風になっているのではないかと思います。官僚批判もありますが、如何せん、マイナスの投票という制度は無いのですから。

一方で、官僚OBの得票は、近年、低迷傾向です。この点を強調するなら、予断を許さない状況かもしれません。それでも、国土交通省OBが苦戦することは、余程のことが無い限り、あり得ない事かもしれません。(耐震偽装での対応などが、「余程のこと」にあたるかどうかは別として……)

私は、官僚の裁量が大きすぎる仕組みに疑問を感じているので、官僚OBとして評価されて当選するということを肯定的に見ることはできません。官僚の仕組みを知りつくしていて、然るべき改革を国会から行うということなら賛成ですが……。

イーホームズの藤田社長がエール送っている人物の問題意識には共感しています。
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by gskay | 2007-06-26 04:34 | 政治と役所と業界