「王様の耳はロバの耳!」(4)
しつこく考え続けています。王様の耳は、アポロンの配慮で普通の耳になったとして、それをどうするかです。

ロバの耳であるという噂を公的には認めず、世間で問題になっていることについては無視し、公表のようなことはしない。

あるいは、噂を打ち消すために、世間に王様の耳を披露する。

庶民の動揺をおさえるためには、披露した方がいいと思うものの、庶民の関心は長続きしないし、一貫性もとぼしいことから、公表せずに時間の経過を待つというのも一つの選択肢になると思います。

披露する場合には、もともと普通の耳だったと言い張るパターンと、アポロンの配慮で普通の耳に戻ったということを明らかにするパターンがあります。

床屋や葦にとっては、アポロンの配慮を明らかにしてくれた方がおさまりがいいのではないかと思います。ただ、どうしても、もともと普通の耳だったと言い張りたいのなら、床屋については、黙っていてもらうための工夫は、この時点でも可能で、交渉次第。葦については、伝説ということで……。

しかし、庶民の信頼を取り返すという目的のためには、必ずしもロバの耳であったことを隠すべき悪者だと見ては行けません。ロバの耳自体は、庶民の信頼とは直接関係がありません。むしろ、背後にあるアポロンによる罰という点の方が、信頼を揺さぶるには大きな要素ではないかと思います。アポロンに咎められるような思慮の王様だというのは一大事です。

ロバの耳が、庶民の噂になっていることが、王様に対する不信のあらわれである可能性があります。だとしたら、ロバの耳事件をやり過ごしたとしても、次々と似たような事態が発生するだけだと思います。

信頼を取り戻すためには、王様が思慮深いということを明らかにしなくてはなりません。

そうすると、以前は思慮が足りなかったが、今は大丈夫という話を公表するのがいいように思います。ついでに、床屋にも配慮しつつ。もちろん、葦にも。

庶民の不信は、以前の王様に対するもので、「今は、この通り、大丈夫」と高らかに宣言し、庶民の認識をがらっと変えてしまうということが可能かもしれません。しかも、アポロンのお墨付きもついていて安心です。

そういうやり方は、いい国をつくることに役立てることができると思いつつ、これを悪用する方法もあることに気付きました。

アポロンの話はでっち上げ。床屋は情報操作のための工作。葦もことによると。庶民の不信感を揺さぶっておいて、一気に逆方向の証拠を披露。しかも、庶民の不信を打ち消すストーリーつき。そのストーリーは神聖なもので、不可侵。

庶民は、そこまでまぬけではないかもしれませんが、そう誘導することは、不可能ではないと思います。

普通、「王様の耳はロバの耳!」の話で、こんなことを考えることはないかもしれませんが、選挙でのネット上での発言とからめて考え始めて、大きく逸脱してしまいました。
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by gskay | 2007-07-16 23:19 | いろいろ