「王様の耳はロバの耳!」(5)
ロバの耳については、ようやく、熱が冷めて来ました。

ところで、能登の地震の時は、忙しすぎて更新もままなりませんでした。能登での出来事に注意していなかったことを反省しています。今度の新潟の地震については、少し注意しておこうと思っています。

外国にいるため、国内の事情全般に乗り遅れている観があり、努力しないと事情の把握ができません。マスメディアの力を思い知ります。ただ、現状では、マスメディアは大きな問題を抱えていると思いますが……。

さて、熱が冷めつつあるロバの耳。床屋についてです。

職務上知り得た秘密、あるいは秘密にすると約束した内容について、他人に漏らさないよう努力したことは認められるべきだと思います。穴をほって、誰にも聞かれないように叫んだのですから。

しかし、そうした意図に反し、問題の葦がはえてきてしまう。そうすると、意図しているかどうかは別として、結果として秘密を漏らしたことになってしまう。そういう「結果として」という罪も、この世の中にはあります。

従って、法の内容次第ですが、裁かれる必要はあるのかもしれません。有罪か無罪かは別として。ちなみに、事実関係については、争う余地が少ないように思われます。とはいうものの、おそらく法律が想定していないケースなので、筋の悪い裁判になると思います。

そういう筋の悪い裁判とは別に、別件の裁判があります。別件の裁判は、王様の気分による裁判かもしれないし、事情をわかっていない庶民からの圧力に抗しきれなくなって行われるかもしれません。

耐震偽装になぞらえるなら、免許や登録、経理の手続きに誤摩化しがあったというような内容の別件の裁判。有罪を前提に、床屋を痛めつけたり、抹殺しようとする。規則については、お手盛りの解釈で。

ロバの耳を隠す必要がある状況では、別件でも捕らえて、処罰する必要もあろうかと思います。床屋の免許や登録、経理と、ロバの耳事件は直接関係ありませんが、なぜか、王様の気分も晴れ、庶民も満足するようです。

そんな不正を働く悪人の言葉は、聞く価値もない。そんな悪人はこらしめられて当然。

床屋は、いいふらそうとしたわけではありません。秘密の漏洩を防ぐ最大限の努力をしました。まして、この床屋が、王様の耳がロバの耳である原因でもありません。

耐震偽装の関係者でいうなら、検査に関わっているが、いい加減な検査をして見落としていたわけではないし、耐震偽装の物件の販売に関わっているが、意図して耐震強度の不足を隠して引き渡したわけでもない。まして、耐震強度の偽装には関わっていない。

むしろ、くそまじめなくらい、職務や規則、約束に忠実であろうとしている。

だとしても、捕われ、裁判にかけられる。刑事裁判にかけられること自体、すでに刑罰のようになってしまっている我が国は、イソップの寓話よりもひどい状況にあるような気がします。

肝心なのは、王様の思慮不足。耐震偽装においては、国のシステムの曖昧さと中央官庁の官僚の機能不全。

それに、強いていうなら、隠蔽体質とお手盛りの裁量。

「王様の耳はロバの耳!」では、床屋を許すところから、事態は急速に好転します。そもそも、ロバの耳は、王様の思慮不足のあらわれであり、それが解消されました。

耐震偽装の問題では、表面的な後始末については、それなりに進みつつあります。

しかし、ここへ来て、事件の隠蔽やデタラメな対応に、メスが入れられる兆しがでてきました。根幹の部分は解決していません。だからこそ、事態は混乱に向かっているのかもしれません。

そもそも、対応の判断基準もデタラメなら、設計のための計算プログラムの取り扱いもデタラメだったことこそ問題です。しかも、それを隠そうとした意図があり、都合の悪い関係者を抹殺しようとした。

ロバの耳の王様よりも、たちが悪いかも。
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by gskay | 2007-07-17 02:18 | いろいろ