訴訟への賛否
ヒューザーが自治体に対しておこした訴訟について、賛否があるようです。私は、賛成している立場です。もっと早くするべきだったとさえ考えています。ヒューザーがすべき法的な対処としては、現時点で、設計事務所への訴えがまだですが、ここは、法廷に持ち込まなくても解決するのかもしれません。

私は、損害が補償されれば満足なので、その方向の行動は歓迎します。

もし、もっと早く訴訟を起こしていたら、不発と言われた証人喚問も、違った様相を見せたのではないかと思います。建築確認のあり方や意義を論じる場になったのではないかと思います。あるいは、瑕疵担保責任のあり方。また、野党の追及も、悪人への追及ではなく、悪政への追及になっていたでしょう。法律の隙間の存在も検証されていたことでしょう。

しかし、この時期の提訴では、今さらです。そういう機会を作るきっかけにはならないでしょう。

ただ、そうなっていたとしても、難解すぎるので、メディアには取り上げられなかったかも。そういう本質的な問題を取り上げる力量のあるメディアは限られているので、結局、同じこと?

ところで、訴訟に否定的な意見は、「逆ギレ」であるとか、「小嶋社長のすることは、何でも気にくわない」というようなレベルのものが多いような気がします。「盗人猛々しい」という意見もありますが、そういう意見が出てしまうのは、「風評」による影響だと思います。

結局、何も明らかになっておらず、「盗人」と決めつけるのは早計過ぎるので、「風評」の背景も含め、冷静に捉えるべきだと思います。仮に「盗人」であったとするなら、なぜ、悪を明らかにできないかを考えるべきでしょう。

「補償に費用を回せ」という理屈は、もっともらしい話ですが、割り算ができればナンセンスです。

このような状況に追い込まれた原因のひとつとして、小嶋社長は「風評」や「いいがかり」を考えていると思います。だとすると、そんなレベルの批判をしたところで、訴訟をやめさせることはできないでしょう。

訴訟に否定的な意見で、おもしろいものを聞きました。「ヒューザーが勝つと、二重に税金が使われるから、いやだ」というのです。どういう意見なのか解らなかったので詳しく聞きました。

「ヒューザーが勝ってしまうと、政府は、ひとつの問題に、賠償と支援という二重の支払いをすることになる。支援の分をヒューザーから回収するというが、無駄な手間だ。二重に支払って、半分回収するだけだ。ひょっとすると、回収さえできないかもしれない。」

「どうせ支出するなら、政府の負担がミニマムになるようになるようにしなくてはならない。だから、政府は、さっさと、業者なり、住民と和解し、支払いを一本化すべきだ。政府が絶対に勝つと言う自信があるなら、政府は裁判を受けてもいいが、少しでも負けるリスクがあるなら、そのリスクは、二重払いという負担になる。」

つまり、政府の方こそ、訴訟で闘うべきではないという意見です。「ふーん」とは、思いましたが、妥当な分析かどうかはわかりません。今や、ヒューザーを止めることはできないので、訴訟を回避する方法としては妙案かもしれません。

さらに、「どうせ公金を使うなら、政府は、住民が満足するようにさっさと支払っておいて、責任があるところから取り立てればいい。責任を追及される立場から、責任を追及する立場に変身できる。最終的に回収できなかった分が政府の責任だ。」と。

所詮、茶飲み話です。

今後、様子を眺めているホテルや、静かにしているシノケンなども動き始めることと思います。ヒューザーからの提訴は、一部に過ぎません。ヒューザーからの訴訟の行方によっては、大変なことになります。損害を受けた建築主からの訴訟ラッシュになるでしょう。むしろ、はっきりした決着をつけない方がいいのかもしれません。
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by gskay | 2006-02-02 17:57 | 損害と回復