官僚OBの政治資金と政治姿勢
かつて郵政省OBが選挙違反への連座を問われたケースもあるように、官僚OBの選挙や政治活動が、正しいやり方で行われているとは限りません。むしろ、かなりヤバいやり方がまかり通っているのではないかと思います。

そんな先入観を持っているので、引用した記事には、何が書いてあるのかと、見出しを見たときにはびっくりしましたが、これ自体は、重大なことではないと思います。これをきっかけとした動きがあるのかもしれませんが……。

官僚OBが、官僚組織や業界を背景として参議院比例区で当選するのは、少しずつ難しくなっているようです。拘束名簿方式であれば、このような現象は、表面にでることなく、同じような名簿順位を繰り返すことになったと思います。非拘束名簿の選挙は、かつての全国区のように、候補にとって大きな負担を強いる選挙ですが、社会の趨勢を無視した拘束名簿より、良いのかもしれません。

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省関係者を「会社員」、佐藤信議員が報告書に

2007年09月14日22時00分

 今年7月の参院選で初当選した元国土交通事務次官の佐藤信秋参院議員(自民)が代表を務める資金管理団体が、14日公表された06年分の政治資金収支報告書で、個人献金をした国交省の現役局長や同省外郭団体のトップらの職業を「会社員」と記していたことがわかった。政治資金規正法の「虚偽記載」に当たる恐れがあるが、佐藤氏の事務所は「法律に触れるという認識がなかった」と釈明している。

 この政治団体は「佐藤信秋後援会」。同会が提出した政治資金収支報告書によると、06年の6827万円の寄付収入のうち、2927万円が個人からの寄付で、寄付者は300人を超えた。

 報告書の「寄付の内訳」欄では、寄付者のほとんどが職業に「会社員」と記されていた。しかし、その中には現役の国交省道路局長や河川局長、同省外郭団体の財団法人水資源協会理事長、旧建設省OBの青梅市長らも含まれていた。また、寄付当時は財団法人理事長で公正取引委員会が水門談合への関与を認定した豊田高司・元建設省技監も「会社員」とされていた。寄付者の大半が同省関係者とみられる。

 個人献金をした人の多くは佐藤氏と親交の深い国交省関係者で、佐藤氏の事務所スタッフには国交省OBがいるという。佐藤氏の政策秘書は「振り込みで住所と氏名しか分からなかった人の肩書を事務員が一律に会社員と書いた。本来の肩書と違うと気づいたスタッフもいたが、会社員でも法的に問題ないと思った」と釈明、収支報告書を訂正する考えを示した。

 政治資金規正法上の「虚偽記載」について、総務省は「故意または重過失で虚偽の内容を書いた場合が該当し、罰則の対象になる」と説明する。

 佐藤氏は旧建設省出身で、国交省道路局長などを経て、05〜06年に事務次官を務めた。今年の参院選では建設関連の業界団体などの支援を受けて比例区で立候補し、自民党の9位で初当選した。

 国土交通省の宿利正史官房長は「長年職場の同僚だった人々が、個人として自らの意思で献金するのは問題ない。政治資金収支報告書への記載の仕方は、佐藤議員が対処すべきものでコメントする立場にはない」との談話を発表した。

国土交通省の官僚仲間の応援は確実でしょう。しかし、業界については、求心力が低下しているのではないかと思います。

土木はともかく、建築については、業界といえど、国土交通省に好意的ではいられないのではないかと思います。国土交通省は、業界を守るどころか、はしごを外してみたり、後だしジャンケンをしてみたり、あげくは、自分の都合のよいようにルールを変えて、関係者を混乱させてみたり……。

できの悪いガキ大将のようで、都合が悪くなると、他人に責任をおしつけ、逃げ足は一番早い……。それから、宿題もサボっていたみたい。

この報道自体は、政治資金の管理に対して厳しい目が注がれている昨今ならではの、ややエスカレートした反応にすぎないと思います。ただ、官僚仲間が政治の水面下で何かを企んでいるような、何となくうしろめたさを感じさせるネガティブなイメージを抱かせる報道だと思います。

もともと、官僚OBの選挙は、低迷傾向です。それに拍車をかけ、今後、参議院の比例区、とりわけ自民党からは、露骨に官庁の既得権を代表するような官僚OBが消えていくのかもしれません。

今後、官僚OBの政治家は、少なくとも自民党については、個人の能力が最優先の資質になるのではないかと思います。背景にある組織の支持は、二の次という状況が生まれています。

実際、昨今、背景となる組織、つまり官庁や業界の既得権益の利害を代表するという姿勢が、国政を全体から見たときには、必ずしも利益とはならなくなっています。むしろ、出身の官庁と対立できるくらいの姿勢をとれるような人材でなくてはならないのではないかと思います。
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by gskay | 2007-09-16 07:22 | 政治と役所と業界