キャリア制度についての攻防
国家公務員のキャリア制度は、官僚の裁量がなければ、あまり大きな問題として考える必要はないと思います。裁量がなくなってしまえば、ただの有能な集団です。リーダーシップをとるための人材を特別に選抜すること自体は、ひとつの方法として認めてもいいのではないかと思います。(私は、東京都庁のようなやり方の方がいいと思いますが……)

ただ、その有能さにも疑問符がつくことが、耐震偽装を通して明らかになってしまいました。採用の区分についての検討が行われているようですが、いかに、有能な人材を確保するかという点から検討してほしいと思います。

国家公務員制度改革 キャリア存続、霞が関の工作 報告書は2カ月先送り(産経新聞) - Yahoo!ニュース

10月4日8時1分配信 産経新聞

 政府は3日、「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」(座長・岡村正東芝会長)の第4回会合を首相官邸で開き、国家公務員の人事制度改革の基本方針についての報告書を、来年1月をめどにまとめることを決めた。当初は報告書を11月に仕上げる予定だったが、2カ月先送りされることになった。

 また、この日の会合では、形式的にキャリア制度の廃止を報告書に盛り込むことで一致した。しかし、実際には官僚サイドからキャリア制度を存続させるための巧妙な工作が行われるなど、「福田政権発足とともに行革に対する霞が関の抵抗が始まった」(現職閣僚)との見方が出ている。

 政府は報告書を受け、来年の通常国会に公務員制度改革の基本法案を提出する方針。

 岡村氏は会合後の記者会見で、結論を2カ月先送りする理由について、過去3回の会合で「改革の理念」をめぐる議論に時間がかかったとしたうえで、採用のあり方など各論について「拙速よりも議論を深める必要がある」と説明した。

 この日の会合では、現行の国家公務員採用試験のいわゆるキャリアのI種と、ノンキャリアのII種の区分を廃止したうえで、企画職と業務職に分けて採用し、幹部候補を絞り込むことを決めた。

 しかし、政府関係者によると、岡村氏は会合前に行革推進本部事務局から「採用区分は維持する」との内容が書かれた議事進行に関するメモを手渡された。岡村氏がメモに沿って「キャリア制度維持ありき」で会合を進めたため、堺屋太一元経企庁長官ら複数のメンバーが反発したが、岡村氏は採用区分を企画職と業務職の二つにわける形で押し切ったという。

 これについて、政府関係者は「実際には企画職と業務職がキャリアとノンキャリアの採用区別にすり替えられる可能性がある」と指摘している。

国家公務員を始めとする公務員の採用区分は、大学の学部卒までで、大学院の学歴を要求する区分はないようです。その一方で、キャリアをはじめとする幹部候補生は、公費留学などにより、能力の向上が図られています。

今や、大学院に進むということが、夢のようであった時代ではありません。高等教育のあり方は、大きく変化してしまいました。

昔とことなり、大学院を修了し、修士や博士の学位を有するような人材はたくさんいます。彼らに、従来のキャリア以上の立場を与えれば、能力の問題の解決には多少は役にたつと思います。

国連などの国際機関の公務員として働く人には、当たり前のことだと思います。諸外国でも、修士や博士をもっていたり、それに相当する教育プログラム修了者を幹部公務員に登用する仕組みをもっているところが少なくなありません。

現在の制度は、教育程度が高度になり、教育期間が長くなっていることに、対応できていません。

また、寿命が延びて、働き盛りが伸びていることにも対応できていません。

「学ぶ」ことが、軽視されているように思います。(ちなみに、一応、学位を持っていたりすると、給与については、少し増えます。昇進の際の参考にもしてもらえます。)

官僚の裁量をどうにかすると同時に、人材の能力を高めることが必要です。人材の能力については、大学院や学位取得を採用区分として検討すべきだと思います。

おそらく、このような採用区分をもうけると、従来の大卒キャリア制度に基づく人間関係の維持が難しくなり、自ずと崩壊するのではないかと思います。
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by gskay | 2007-10-15 11:31 | 政治と役所と業界