役所の責任
「事故は2人だけの問題としてとらえることはできない」という点は、この2人の責任を明確にした上で、さらに組織のあり方を問う上での重要な問題意識だと思います。しかし、引用する記事でとりあげられた嘆願書活動は、責任をうやむやにしてしまう可能性もあります。

<プール吸い込み事故>元市課長らに減軽嘆願7千人 埼玉(毎日新聞) - Yahoo!ニュース


11月20日15時2分配信 毎日新聞

 埼玉県ふじみ野市の市営プールの流水プールで昨年7月に女児(当時7歳)が吸水口に吸い込まれた死亡事故で、業務上過失致死罪に問われた元同市教委体育課長、高見輝雄(60)▽元同課管理係長、河原孝史(47)両被告について、「事故は2人だけの問題としてとらえることはできない」として、減軽を嘆願する同市役所職員有志ら約7000人分の署名が集まっていることが分かった。さいたま地裁で20日午後、2被告の初公判があり、公判中に嘆願書とともに同地裁へ提出される。

 事故ではプール管理の請負業者ら4人も一緒に書類送検されたが、「(完全に固定されていなかった)吸水口のふたの修理義務はなかった」などとして起訴猶予となった。

 市などと遺族の間では3月に約6000万円の示談が成立している。嘆願書は「幼い命が失われたことは重大で市と市職員の責任は重大」とする一方で、市職員2人だけが罪に問われたことへの疑問を投げかけ、減軽を求める内容。市の部長と市職員労働組合執行委員長ら計10人が個人として発起人に名を連ねている。署名は8月1日〜9月末、一般職員のほか戸別訪問で市民らから集めたという。【藤川敏久】

民間に委託するにあたり、より責任の所在を明確にする必要があります。

「2人だけの問題としてとらえることはできない」という主張が、この2人の処罰を軽くするためだとしたら、私には感心できません。

もし、他にも責任を負うべき関係者がいるということを明らかにするべきだという主張であれば、歓迎するべきだと思います。

この嘆願書が投げかける「2人だけ」への処分についての疑問は、際限なく拡大して適用すると、最終的には、誰も責任をとらないという体制につながってしまいます。

問題への反省を不十分なまま放置し、責任を曖昧にしてしまうことにつながりません。これは、問題があっても、責任を問われないということです。こうなると、隠蔽さえも必要なくなる無責任体制を容認しかねません。

7000人分の署名は、使い方をあやまると、とんでもないことになります。

2人の人柄や、責任に対する2人の真剣な姿勢など、酌量すべき情状とは、全く次元の異なる問題です。
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by gskay | 2007-11-22 04:22 | 政治と役所と業界