「2住戸一体型」
藤沢の物件について、再建の方向が明確になったという報道がありました。この物件では、ユニークな間取りがとられるとのことです。Qu/Qunが0.5以下の建て替えが必要とされたヒューザー物件では最後で、いろいろと難航が伝えられていました。権利上の問題も複雑な物件で、建て替えの方向付けをするだけでも大変だったと思います。

耐震偽装・GS藤沢、再建合意へ…自宅の一部を賃貸用に : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


耐震偽装・GS藤沢、再建合意へ…自宅の一部を賃貸用に

 元1級建築士・姉歯秀次被告(50)による耐震強度偽装事件で、「グランドステージ(GS)藤沢」(神奈川県藤沢市)の再建計画が1日、住民間で合意する見通しとなった。
 住民の負担軽減のため、居室のうち一部屋を貸し出し、家賃収入を返済に充てる計画になっている。

 藤沢市などによると、新たなマンションは、建て替え前より3階増えて13階建て。再入居を予定する住民13戸と新規分譲分を合わせ、計四十数戸になる予定。来秋に着工、2010年3月の完成を目指す。

 住民が入居する100・5平方メートルの部屋は、希望すれば、3LDK(80平方メートル)とワンルーム(20・5平方メートル)に分割できる仕組みを取り入れる。それぞれに玄関や風呂、トイレなどが設けられる。横浜市の開発会社が提案した。

 住民1戸当たりの負担は平均約1500万円で、それぞれが抱える5000万円前後の住宅ローンに上乗せされることになる。このため、返済が苦しい時期は、ワンルームを賃貸することで家賃収入を得られるようにした。

 GS藤沢は、耐震強度が基準の15%で危険な状態だったため、すでに4階以上の解体を終えている。しかし、開発会社「ヒューザー」の破産管財人が所有する未売却分13戸の扱いなどを巡り、建て替え計画の決定が遅れていた。13戸分の所有権は住民側が実勢価格で買い取ることになった。

 住民の一人は「プランを提供してくれた事業者に感謝したい。しかし、家の一部を貸し出すのは苦渋の選択だ」と話している。
(2007年12月1日12時23分 読売新聞)


<耐震偽装>GS藤沢「2住戸一体型」で再建へ(毎日新聞) - Yahoo!ニュース


11月29日15時1分配信 毎日新聞

 元1級建築士の姉歯秀次被告(50)=1、2審実刑、上告中=による耐震偽装事件で、最も耐震強度が低かった神奈川県藤沢市のマンション「グランドステージ(GS)藤沢」の再建案がまとまった。住民(17世帯)の半数近くが部屋の一部を賃貸して家賃収入をローン返済などに充てる「2住戸一体型」と呼ばれる部屋を購入する見通しだ。他の耐震偽装マンションの建て替えにない新方式で、管理組合は12月1日の住民集会で推進を決議する。【池田知広】

 藤沢市などによると、再建マンションは地上13階、地下1階で、部屋数は四十数戸を予定し、来年秋に着工、早ければ10年冬に完成する。特徴となる「2住戸一体型」と呼ばれる間取りは、一つの住居に玄関、台所、トイレと浴室が二つずつある。室内のドアで3LDKと1Kに区切られている間取りでは、住民は3LDKに住み、1K部分を第三者に賃貸する。

 住民によると、再建に伴う1世帯当たりの追加負担額は約1000万〜2000万円で、旧マンションとの二重ローンを背負う住民が多い。「一体型」だと、返済の一部を家賃収入でまかなえ、将来賃貸をやめて、全スペースを住民が使うこともできる。

 住民は再建に向け100回以上の話し合いを重ねてきた。住民の1人は「何をもって『被害の回復』とするかは住民同士でも違う。だが、やっとスタートラインに立つことができる」と話す。

 旧マンション(10階建て)は05年9月の完成直後に偽装が発覚した。当時30戸のうち13戸が未分譲で販売会社「ヒューザー」(破産)の所有になっており、再建のネックになっていた。管理組合は同社の破産管財人から受け取る損害賠償金で13戸分を取得する。

 GS藤沢の耐震強度は0.15ときわめて低くて危険なため、市が今年3月までに4階から上を撤去し、3階部分までが残っている。

再入居や、売れ残りの扱いなど、内容が微妙に重なっていないところがあり、二つの記事をあわせて読んでみる必要があると思われます。

ところで、このユニークな間取りについては、私は、びっくりしました。

もともと、ヒューザーの物件を選ぶくらいなので、常識にとらわれない発想ができるのだと思いますが、この間取りに挑戦することは、これまでかけた時間以上の意義があるように思います。

バス・トイレ、小さいながらもキッチンがある個室が、一つの住戸の中に独立してあるというマンションは、我が国ではまだまだまれです。高級マンションに限られた特殊なものだったと思います。

この間取りは、いろいろな意味で、使い勝手がよいと思われます。様々な用途があると思います。賃貸にするかどうかは所有者の個別の事情によると思います。それよりも、一つの住戸に、独立可能なユニットを組み込むというのは、従来の間取りへの挑戦として価値があると思います。

似たような発想は、私が仮住まい中のURの住宅にもあるようですが、これは、必ずしも優れた間取りとはいえないという意見もあります。中途半端な大きさの住戸では、かえって居住性を損ねてしまうようです。私が仮住まい中の部屋は、大きい部屋ではないので、そのような工夫はされておらず、住んでみたことがないので、実感はありませんが……。

広さの点では、ヒューザーの物件をベースにしているので、不可能ではないと思います。広さという魅力を理解できた人が、さらに次の工夫に挑戦しているように思います。

広さについても、設備についても、我が国のマンションは、世界をリードできるような水準ではありません。広さについては、ヒューザーというデベロッパーが、出る杭となって方向性を示したように思います。その延長で、藤沢の物件による挑戦で、バス・トイレ、キッチンを独立してもつ個室という新たな水準が示されることになるような気がします。そういう点で、「2住戸一体型」という表現されるような発想以上の発想だと思います。

今後のマンションのあり方を変えてしまうようなすばらしい試みになることを期待しています。試行錯誤はあると思いますが、我が国のマンションが世界のトップに追いつき、世界をリードするようになった時、この試みがきっと振り返られると思います。
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by gskay | 2007-12-04 14:56 | マンション暮らし