監理の手柄
市川の超高層マンションでは、検査機関の検査の有効性が示された形になりました。しかし、本来、これは、監理が指摘すべき問題で、監理が空洞化しているのではないかという批判もありました。

東麻布の超高層マンションでは、監理が問題を指摘したようです。

東麻布・超高層マンションの鉄筋施工ミス、内勤の監理者が発見|ケンプラッツ


2007/12/18

 竹中工務店が鉄筋の一部を取り違えて施工した超高層賃貸マンション(東京都港区東麻布)で、鉄筋取り違えは同社の工事監理担当者が最初に見つけた。建設現場で監理に立ち会っていた施工管理の担当者に伝えて、対処を促した。同社がこのほど明らかにした。

 このマンションでは、鉄筋加工会社が地下1階基礎梁用の鉄筋を誤って8階と9階の梁用に加工し、現場作業所に納入した。竹中工務店の施工管理担当者はこの取り違えを、納入時の鉄筋の検査と配筋検査で見落とした。取り違えを発見したのは、工事監理を担当する内勤の社員だった。

 同社は12月3日、鉄筋を取り違えた8階と9階の再施工に着工した。補修でなく解体・再施工を選択した理由を、同社広報部は「補修によって梁に当初の設計と同等の強度を持たせようとすれば、梁断面が大きくなり、設計通りの居室を確保できない恐れがあったからだ」と説明している。

設計、施工、監理と、それぞれの責任が果たされなくてはなりません。検査機関は、その枠組みからみれば、外の存在です。

監理といっても、これまでは、施工の問題を指摘することは難しかったかもしれません。むしろ、いかに、問題を表面化させないかが努力の目標だったのかもしれません。

しかし、今は、問題を放置することが重大な問題につながるということが明らかになっています。このため、監理としての本来の業務が期待されるようになっているのかもしれません。

検査機関の役割を増やすことよりも、監理がきちんと責務を果たすことの方が、建築の健全化には役に立つと思います。そのための環境を整えるべきだと思います。

公的な取り締まりや、検査機関の役割の強化は、建築にとっては、二次的なものにすぎないと思います。そこに、力を注ぎすぎては、現場が空洞化してしまうでしょう。

今回の監理の位置付けは、厳密に言うと、設計、施工、監理の役割分担とは、少しニュアンスが異なる監理かもしれません。しかし、今回、監理が監理としての任務を果たしたことは、これまでのことを考えると、「手柄」だと思います。

当然のことといえば、当然なのですが……。
[PR]
by gskay | 2007-12-21 13:54 | 揺れる システム