書き込みによる世論誘導
官僚による世論誘導は、国民の理解が得られなければ、最終的には何もできないということの裏返しです。

建前としては表立って堂々とはやれないようです。もし、公然とやってしまうと、みんなが反発してしまうかもしれないから、こっそりとやらなくてはいけないのだと思います。公平であるとか、中立であるといった建前とは、別の次元の話だと思います。

ところで、元々、マスコミへの情報の操作などが行われてきました。そこに、ネット上のコンテンツが加わっただけの話だと思います。

「国交省でウィキペディア書き込み世論誘導?」IT‐インターネットニュース:イザ!


≪暫定税率維持狙い≫

 ガソリン税をめぐる与野党の攻防が激化する中、ネット上で書き込みや閲覧等ができるオンライン百科事典『ウィキペディア』に、「世論誘導のため国土交通省関係者が書き込みを行っている」との憶測が霞が関でささやかれている。「ウィキペディア」と言えば、かつて「ミスター年金」こと民主党の長妻昭衆院議員の項目に、厚生労働省内のパソコンから誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれたことが発覚しているが、果たして本当なのか。

 霞が関・某官庁のキャリア官僚が指摘するのは、道路特定財源制度の項目の中にある「暫定税率維持側の主張」欄。

 国交省内の様子について、「ロビーは連日全国津々浦々から駆けつけた自治体関係者等の陳情団の熱気であふれかえっており、道路局には全国の自治体等から要望書や署名簿が続々と送られてきて足の踏み場もなくなる勢いであるとの声がある」などと、関係者にしか分からない内容が克明に描かれている。

 もちろん、「暫定税率廃止側の意見」欄には、「道路特定財源を国交省道路局官僚のレクリエーション費用に流用していたこと等が発覚するなど、社保庁と同様に不適切で無駄な支出が多く、そのような中で暫定税率を維持することには納税者である国民の理解が得られない」と同省官僚を非難する書き込みもある。

 しかし、省内の様子だけが妙に生々しく描写されているため、内部“犯行”説が浮上しているというわけだ。

 実際、中央省庁では2006年4月、「消えた年金」問題で政府を追及する長妻議員の項目に、厚生労働省内のパソコンから「行政官を酷使して自らの金稼ぎにつなげているとの指摘もある」と書き込まれた“前科”もある。

 そこで国交省を直撃すると、「07年1月から、省内のパソコンからウィキペディアへの書き込みはできないようにしているので、省内から書き込みがされたということはないでしょう」(情報安全・調査課)と全否定する。

 長妻氏の一件以来、ほとんどの省庁が、ウィキペディアへの書き込みができないように省内パソコンのシステム設定を変更するなどの対処をしているというのだ。確かに、ウィキペディアの書き込み元を探索するソフトで調べてみても、同省内から書き込みを行った形跡はみられない。

 どうやら憶測の域はでないようだが、別の霞が関官僚は「今は省内から書き込む奴はいないと思う。書き込むなら発信元が分からないようにネットカフェなどからだろう」というだけに、まだまだ憶測は飛びかいそうな気配だ。

官庁やマスコミが、公平であるとか、中立であるという発想は、責任を負わないで済む仕組みの背景として役立っているように思います。その舞台装置として、官僚は世論誘導を公然とは行わないという姿勢をとり、マスコミも独立しているという姿勢をとっています。

マスコミだけが情報の通り道であったなら、それで良かったと思いますが、ネットが影響力を増しつつあります。まだまだ絶大な影響力というわけではありませんが、マスコミへに比べ、コントロールが厄介な点が多いように思われ、おそれられているようです。

実際のところは、ブログにしても、現場の情報や独自の情報は少なく、マスコミの報道などを材料にして、批判的に取り上げているというものがほとんどです。この状況が続くなら、情報操作として有効な対策は、都合のいい内容を書き込むことではなく、知らせないことです。

おそらく、世論誘導などと大げさに取り上げられていますが、一人一人の官僚の個人レベルの行為であり、組織的な関与は薄いと思われます。

このブログのコメント欄の「炎上」を経験していた時、書き込みをいろいろと分析をしてみて、腹が立つこともありました。書き込まれた経緯などがバレてしまうと、世論誘導については、逆効果になります。まだ、当時は、それが意識されていなかったのではないかと思います。

世論誘導のつもりで、ネットに細工をしたり、書き込みをすることが、組織的に行われていることもあると思いますが、官僚が直接書き込む場合、まず、そうではないと思います。簡単に足がついてしまうようなマネはしないと思います。

また、逆に考えると、そんな書き込みをしてしまうような官僚は、ネットやシステムに関する知識に劣っている可能性があり、あまり感心はできないと思います。そうした知識の問題だけでなく、自分は天下や国家を考えて書き込みをしているつもりかもしれませんが、役所での悩み事を匿名でバラしているにすぎず、そのような姿勢は厳しく問われるべきではないかと思います。

結局、官僚個人による匿名の書き込みなど、大した問題ではないと思います。それに比べて、従来からのマスコミ経由の世論誘導に加え、組織的にこっそりとネット上の世論誘導操作が行われている可能性の方が問題です。また、問題になりそうな肝心な情報が隠されている可能性もあります。

ところで、もし、官僚が個人として意見や知見を披露したいと考えるのなら、そのような場所はたくさんあります。論文にしたり、出版したり……。学術の場や、政治の場、もちろんメディアにも。そこで堂々と発表し、議論すればいいだけなのに、こっそりとやろうとするから、怪しまれてしまうのだと思います。

書き込みをするような官僚は、個人として、自信がなかったり、責任が持てないと感じていたりするのかもしれません。信念や志に関わるような問題なのかもしれません。それはそれで、気の毒なことだと思います。
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by gskay | 2008-02-10 15:23 | メディアの狂騒