区の対応
いよいよ、予告された退去勧告が間近に迫りました。

当初からリストにある中で、一番遅い対応ということになるのではないでしょうか?

この区の対応の方針は、他の自治体とは一線を画しています。

退去勧告は出すものの、住民の退去の費用は、売り主の瑕疵担保責任でと明言しました。退去に伴い、確保された公的住宅の提供をうけるものの、無償ではありません。これも、売り主の瑕疵担保責任でと明言されています。その上で、やむを得ない場合、区が立て替え払いをするということになりました。

他の自治体では、公的な資金によって、引越費用や、3ヶ月の家賃を賄うとしていますが、この区は、違います。

さらに、この区の対応は他と異なります。現在と同等の生活が可能な条件の公的住宅を、住民の間に不公平がないように提供できるようにするとしています。本来、売り主が提供するものは、現在と同等の条件が求められるのですから、妥当な提案です。

早くに対策を出し、すでに使用禁止命令を出していて、公的に受入れ住宅を提供する自治体では、現在の生活の条件とかなり異なる住宅しか提供できていないことと大きく異なっています。

区は、当初、違法建築ではあるものの、地震さえなければ、切迫した倒壊の危険があるわけではないので、強制的な退去はないとしていました。あくまで、自主的な退去という方針でした。そして、その費用は、売り主の瑕疵担保責任によって行われればよいとしていました。

とはいうものの、国からの指示をうけ、区営住宅を、退去住民のために確保するという、住宅の目的外の使用は認めていました。さらに、今回、国の方針に従って公的住宅への便宜を図ってくれています。

いよいよ、国の方針である退去勧告へと進みます。しかし、他の自治体とことなって、違法という瑕疵に対し、売り主が瑕疵担保責任で対応するべきであるという方針を貫いています。今回は、ヒューザーが倒産しても、立て替え分は、国が打ち出した資金で回収できるという安心感があります。

ところで、ここまで、区は、不適切な建築確認や検査については、一切、触れていません。私は、事件の根本は、不適切な建築確認や検査にあると考えています。しかし、区の方針は、そんなことにはお構いなしです。

ここが、この区の対応のポイントです。

今、この区では再開発が盛んで、新築マンションラッシュです。建築確認段階の問題あろうと、施工の問題であろうと、「違法」建築マンションが、多く出現する可能性があります。その「違法」に対し、是正を勧告するするだけでなく、売り主の瑕疵担保責任を立て替えるという形で、積極的に介入する前例ができたように思われます。設計をごまかしたり、手抜き工事をすると、区が乗り込んで来て、売り主に瑕疵担保責任による対応を迫るというシステムができたような気がします。

この区に、新築の「違法」マンションを作った売り主は、逃げ切れないでしょう。これは、設計のごまかしや、手抜き工事を防止するとともに、出来上がった「違法」マンションも、積極的に撤去できることにつながると思います。少なくとも、平成12年以降のものには、この方針が、適用されるような気がします。
[PR]
by gskay | 2005-12-05 08:51 | 公的対応