小嶋社長への有罪判決
小嶋社長の判断は適当でなかったと思います。それについては、被害を被った立場からの民事の請求で追及する必要があったのかもしれません。しかし、会社も社長自身も申し立てによって破産という処分を受けています。請求に実質的な意義がないため、民事の訴訟では争われていません。

ところで、有罪判決となった小嶋社長の刑事裁判では、詐欺の成立について論じられていたようです。私は、「改ざん」と「強度不足」と「違法」が、同じものであるという前提を疑っています。このため、「だまし取った」といえるかどうかについて疑問を感じています。

問題の時期には、「改ざん」は確かでした。「強度不足」は疑われていました。しかし、「違法」については、しかるべき判断は下されていませんでした。

11月17日に国土交通省によって公表されることになったときが、「強度不足」が明らかになったときです。「違法」については、特定行政庁の判断や処分が必要です。一方で、建築確認による「適法」という判断についての取り扱いは、今でも曖昧なままです。このあたりの取り扱いは公的な立場の方に混乱があって、その影響を小嶋社長は、まともに受けてしまった形になっています。

「適法」な手続きで建ってしまった「実質的な違法建築」については、違法性の程度によっては、引き渡しの方が優先されるべき状況もあり得るのではないかと思っています。

「結果として、重大な違法性が、後から明らかになった」ことについて詐欺に問われているということは問題だと思います。単に違法性の重大さが後から明らかになっただけでなく、11月17日に新たに提示された基準で、10月28日の行為を糾弾することができるのかどうかも問題です。

こうした問題点があるため、これを詐欺に問えるかどうかは、はっきりしないように感じています。弁護団があげている控訴の理由控訴とはの観点からも、控訴は当然であり、上級の裁判所の判断が必要になると思います。むしろこの点こそ重大な問題だと、私には思えるのですが……。

「耐震偽装の一連の裁判」とひとくくりにされていますが、この裁判は、耐震偽装の行為とは直接の関係はありません。木村建設の人たちやイーホームズの社長の裁判と同様、強いていうなら関連づけることはできます。しかし、あくまで耐震偽装自体の裁判ではありません。

「一連の裁判」の中でも、この小島社長の裁判は特別です。他の裁判は,なぜその人たち「だけ」が裁かれ罰せられるのかということは謎ですが、違反は明瞭だったようです。しかし、小嶋社長の裁判については、簡単に判断ができない難しい事情を裁判しています。

ところで、魔女裁判は、どっちみち結末は決まっていて、裁判所や告発者は、いかにもっともらしい理由をつけるかが腕のみせどころです。そういうメンタリティーの裁判が、我が国で行われているとは思いたくはありませんが……。
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by gskay | 2008-03-26 14:22 | 真相 構図 処分