坪単価
何も新しい事実を指摘していないうえに、野党が、政府に「その通りですね」と回答されて、どうなるのだろう?というのがこの記事への最初の感想です。この後、野党は、どんな追及をしようというのでしょうか?


偽装の動機、姉歯元建築士「低い坪単価の設定が原因」


 耐震強度偽装事件で、姉歯秀次・元1級建築士(48)が、構造計算書を改ざんした動機について、開発会社「ヒューザー」(大田区)の安すぎる単価設定に原因があると関係者に説明していることが、13日の衆院予算委員会で明らかにされた。

 原口一博議員(民主)が、姉歯元建築士は関係者に対し「ヒューザー(の分譲マンション)の坪単価が40万から45万と低く設定されていることが原因で、元請けから下請けに大きな負担が来ていた」と説明していると指摘した。

 これに対し、答弁した国土交通省の山本繁太郎・住宅局長は「同様の認識を持っている」と事実関係を認めた。
(読売新聞) - 2月13日14時58分更新


数字は、客観的なものですが、「説明」の中身は、主観的なものです。主観と客観をゴチャゴチャにしています。記事は、「事実関係」と結んでいますが、それは、どの点に対する「事実関係」なのでしょう?

ところで、客観に属する坪単価に関しての疑問です。偽装は坪単価にどれだけ貢献しているのでしょうか?おそらく、坪当たり、1万円から3万円です。(最高に高く見積もれば、10万円?)そこも、誤摩化されています。

まだまだ、安さのカラクリには、検討の余地があります。まず、この数字が本当にありえないものなのかどうかが明らかになっていません。「ありえない」という結論であれば、他の要素にも目を向け、追及する必要があります。「ありえる」としたら、つべこべ言う筋合いではなくなってしまいます。

これは、ヒューザーの他の物件は、どうして大丈夫なのだろう?という心配でもあります。

どうも、「広くて安いマンション」が抹殺されようとしているような気がします。それは、買い手にとっては、ありがたい事ではありません。

「広くて安いマンション」が「安心」して手に入れられればいいのに。

ただ、供給側からすれば、「高くて狭いマンション」を売り続けることができるわけで、良い事なのかもしれません。建築業への従事者は人口の多くを占めているので、その辺を考慮する必要があるのかもしれません。

野党といえども、立場を反映した発言が必要なのかもしれません。業界構造の見直しには、道のりは遠いようで残念です。

それはそうと、この記事には、どういう意図があるのでしょうか?

孤立した面白い報道だとは思いますが、この記事は、野党の追及が手詰まりになっていることを象徴しているのでしょうか?

建築確認をめぐる法令や制度の欠陥に迫る部分に、もっと注目して欲しいと思います。同時に、業界の構造についても、しっかりと検討して欲しいと思います。

(追記)2006.02.15
坪単価の数字を少しいじりました。1棟あたり3000万円(マンション1戸あたり、100万円以下!)で、最高に節約して1億円(マンション1戸あたり、300万円以下)という線から、最高に高く見積もった値段も入れてみました。それでも、(本文に書いたように)坪10万円にはならないけれど……。(これで、私の主張は少し弱くなっています) ところで、そんなコストダウンで、差別化や、ひとりひとりの買い手への訴求力になったのですかね? また、ビジネスホテルでの節約された鉄筋やコンクリートについての報道も一時ありましたが、見当たらなくなってしまいました。それは、1棟で数百万円だったと記憶しています。
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by gskay | 2006-02-14 18:56 | 真相 構図 処分