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3分の2
衆議院の3分の2による再可決の意味が問われているようですが、今回の与党の方針については当然だと思います。また、何があっても解散しないという首相の覚悟も、当然だと思います。衆議院の3分の2という安定多数を手放す理由がありません。衆議院の任期満了か、来年の通常国会終了までは、このままだと思います。

ただし、政党の再編が起きた場合は別です。その可能性は、ゼロではないと思います。自民党も民主党も一枚岩ではなく、いつ合従連衡が行われてもおかしくない状況です。自民・民主の内部からの動きだけでなく、郵政問題以降も復党しなかった人物や、国民新党、新党大地は、そういう動きの引き金を引く可能性があると思います。

その場合、勢力分布次第では、解散・総選挙はおこるかもしれません。

民意を反映していないという非難の声も大きいようですが、ルールに基づいた多数決を前提にした民主主義としては、正常に機能していると思います。

「民意」とか「世論」によって、全体が一色に染まることがあったら、そちらの方が民主主義国家としては異常なことであり、それは全体主義につながると思います。

一色に染まる事はないから、多数決で割り切ることが必要なのであり、そのためにルールに基づいた選挙によって代表を国会に送り出しているのだと思います。

民主主義の手続きとしての妥当性は、議論や政策、法律の中身の是非とは別です。民主主義の手続きを、「民意」とか「世論」を背景にねじ曲げてしまうと、後戻りができなくなります。

国会の会議を成立させるための定足数や、議決を行うための表決数については、目的をもった合理性があることを無視して議論している人の声が大きすぎることに、私は懸念を持っています。選挙制度の議論と同様、仕組みへの理解をあまりに軽視していると感じています。
by gskay | 2008-05-01 10:55 | 政治と役所と業界