住民組織のあり方の見直し
耐震偽装に巻き込まれた時点では、マンションの入居がはじまって3ヶ月にすぎませんでした。全戸の入居も済んで居ないほどで、管理組合がありませんでした。あわてて管理組合を結成し、理事長や理事を選出しました。早くも2年半になろうとしています。

普通の共同住宅の管理組合の業務はほとんどないという特殊な管理組合になりました。建て替えに向けて住民の意思を集約するだけでなく、不利益や損害を最小限にするというのが管理組合の目標となり、それが達成されてきました。

建て替えには、様々な選択肢がありました。その中で、再開発を行って土地利用の公共性を高めるところに辿り着くことができたのは、役所や近隣の理解が不可欠ではあるものの、理事長はじめ理事たちの熱意の賜物だと思います。

これまでは、建て替えのために知恵を出しあうことが大切でした。様々な機会に、いろいろな意見が出たものの、それが対立につながるようなことはありませんでした。共同住宅全体にとってメリットを大きくすることが、それぞれのメリットとして納得することができたからだと思います。一丸となって、ここまで来ました。

しかし、これからは、具体的な費用負担という別の種類の問題に取り組まなくてはならなくなります。必要となる費用の総額は変えようがありませんが、従前資産や従後資産の算出によっては、個々の費用負担に不公平感や不満が出る可能性がゼロではありません。そこに納得できない人が出てしまうと事業が止まってしまう可能性も出てきます。

そのような事情を意識してか、理事長や理事から、今の体制を続けていいのかどうかという問いかけがありました。すでに2年半が経過し、再開発について次の段階に入っていることから、見直しも必要だという提案だと、私は理解しました。

これまでの理事長や理事の尽力について、私は不満はありません。そして、将来についても信頼しています。

ただ、住民の間の利害の調整を理事長や理事に背負わせるというのは、適当ではないのではないかと思いました。もちろん、理事長や理事の能力を考えれば、そのような役目も最適にこなしてくれると思いますが、そのようなことに煩わされてほしくないと、私は考えました。

結局、今の体制が続くことが全会一致で決まったのですが、利害の調整という面では、しっかりとした何かが打ち出されたわけではありません。それで良かったかどうかは、個々の住民の心構え次第ということになります。

一人でも納得できない人が出た場合の影響は心配です。納得できないと主張し続けることは、全体の不利益となり、結局、納得できないと主張する本人にも不利益になります。納得できない人には、どうしたら納得できるのかを自ら追求することが必要になります。

その点さえ、再確認されれば十分だと思います。

「誰もが、納得しなくてはいけない」ということが事業の前提ですが、それは、理事長や理事に絶大な権限があるということではありません。理事長や理事に従わなくてはいけないということではなく、また、集会の多数決で決着させられるべき問題でもありません。まして、我慢しろということでもないと思います。

納得できないことがあるなら、納得できるものにするために自らが努力をし、納得するべきだというだけのことです。理事長や理事、そして組織に何もかも委ねて、自分自身の責務を忘れ、お門違いな不満を抱き続けるようなことがあってはなりません。

利害の調整について、しっかりとした仕組みが作られたわけではありませんが、個々の自覚がしっかりとしたので、むしろ、これが最適なあり方になると思います。
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by gskay | 2008-05-09 01:48 | 建て直し