住民の立場からの報道
毎日新聞は、「住民」あるいは「買い手」という立場からの問題の提起をしてきたように思われます。2月2日に掲載された『記者の目』は、必読ではないかと思います。この記事は、ヒューザーの訴訟と住民からの破産申し立ての時期に出たものです。下の二つは、同じ記事ですが、まいまいクラブの方には、読者のコメントも掲載されていました。

記者の目:耐震偽造マンション被害住民=桐野耕一(社会部)

まいまいクラブ-耐震偽造マンション被害住民=桐野耕一(社会部)

記者の桐野さんは、他のメディアの取材陣からも一目おかれていて、マスコミの中でもっともこの出来事を良く知っている人のひとりではないかと思っています。私は、お目にかかったことはありません。

元ヒューザーの知り合いに言わせると、「毎日が一番ひどい!」のだそうです。買い手にとって迷惑な存在であったり、信頼に足らない存在であったヒューザーの実態を、熱心にあばいて来たからではないかと推察します。買い手である住民の立場に近いところから、独自に問題を掘り起こしてきたような気がします。

その知り合いが「ひどい!」と思う程、私は、ひどい報道姿勢とは思っていませんでしたが、しつこいとは思っていました。それでは、毎日が「ヒューザー黒幕説」に立脚しているかというと、必ずしもそうではないようです。ヒューザーの無能や不手際を報じていただけのような気がします。

ヒューザーへの処分が決まり、矛先は、変わったのかもしれません。

安全ショック:構造計算書偽造 募る不安、進まぬ転居−−鶴見区マンション /神奈川


 ◇横浜市独自の「融資」案—仮住まい家賃も“借金”−−「使用禁止」鶴見区のマンション
 ◇発令から2カ月、住民側強く反発
 耐震データ偽造問題で、建築基準法に基づく使用禁止命令の適用が最も早く表明された横浜市鶴見区の分譲マンション「コンアルマーディオ横浜鶴見」の引っ越しが遅れている。市が「法的根拠のない公金支出はできない」と原則論を主張し、国の支援案にある転居費用と仮住まい家賃の補助を実施せず、独自の対応をしているのも一因だ。発令から2カ月あまり。入居17世帯のうち転居は7世帯にとどまり、残り10世帯のめどは立たない。【内橋寿明】
 ◇入居17世帯のうち10世帯めど立たず
 耐震強度が国基準の1に対し0・5以下のマンション住民に対する国の移転支援案は(1)25万円を上限とする引っ越し費用の負担(2)最大2年間、移転先家賃の3分の2補助(上限10万〜12万円)——が柱。だが該当物件を抱える自治体のうち、横浜市だけは国に合わせた補助に難色を示し続ける。特別立法など法的根拠が明確になるまでは、2年据え置きの無利子融資とする独自案を住民側に通告した。市住宅計画課の寺岡洋志課長は「根拠さえあれば補助に切り替える」と強調するが、その時期は「未定」だ。
 一方、住民側はさらなる“借金”に反発し、融資拒否で意思統一。マンションに残る女性(41)は「ローンに加え、仮住まい家賃を考えると出るに出られない。融資は本当に補助になるのか。精神的にもこれ以上借金は負いたくない」と憤る。
 強度0・5以下のマンションのうち、計算が遅れた「グランドステージ池上」(東京都大田区)以外の10棟では、8割以上の世帯が転居。3戸どまりの「グランドステージ溝の口」(川崎市高津区)でも、海外出張中の1世帯を除く残り20世帯は4月中の退去を川崎市に伝えている。
 同市は国の案に沿った補助を約束しており、建築指導課の高成雅芳主幹は「使用禁止命令を出した以上、最低限の補助は必要。周辺住民の安全も含め緊急性が高い。補助は早期移転を決める理由の一つだ」と話す。このほか東京都墨田区は転居した一部住民に引っ越し費用を支払い済み。同江東区も15日、早期に移転した61世帯に支払った。

2月18日朝刊
(毎日新聞) - 2月18日13時2分更新

そこに、からめて考えてははいけないのかも知れませんが、

選挙:横浜市長選 「無投票で追認、よくない」 共産推薦、松川氏が出馬へ /神奈川

この市は、東横インのことといい、頑張っていると思います。構造計算「ミス」による耐震強度不足の物件の発見もお手柄だと思います。

ただ、極端だと思います。

正当なことをしているとは思います。耐震検査の促進キャンペーンにも熱心です。しかし、今の発想のままでは、きっと破綻すると思います。

下手に検査をして、結果が悪ければ、悲劇が待っていますから。こんな目に遭うくらいなら、検査をしないで、放って置いた方がましだと考える人が出てしまうでしょう。そう考える人が出た時点で、失敗です。

そんな風に考える人を、説得できる手だてを考えなくてはいけません。

それとも、権力による「強制力」に頼るべきでしょうか?

ところで、構造計算「ミス」が原因で、Qu/Qunが0.5を割っていた場合は、どのように対処されるのでしょうか?これも、建築確認レベルの問題ですが……。横浜式で考えるのではなく、国のスキーム式で考えた場合、偽装物件と同じように扱われると考えていいのでしょうか?
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by gskay | 2006-02-18 15:12 | 公的対応