民事再生のもとでの建て替え
最初の耐震偽装物件の売り主が民事再生手続きを申し立てたというニュースがありました。引用の記事などでは、金融機関の融資が悪影響を及ぼしたと分析しています。マンションのデベロッパーは、一般的には、融資をうけて、土地を購入したり、施工や設計などの関連業者との取引をしています。その資金繰りが狂えば、すぐに経営に影響が出てしまいます。

サブプライムローン問題と、我が国の不動産向け融資が絞られていることの間には、直接の関係はないように思います。サブプライムローン問題に巻き込まれた金融機関の業績が悪化していて、それが融資を行う能力を下げているのではないかと思います。不動産に限定されない一般的な問題のように思われます。

<ゼファー>民事再生申し立て 負債総額は949億円(毎日新聞) - Yahoo!ニュース


7月18日20時45分配信 毎日新聞

 マンション分譲中堅のゼファーは18日、東京地裁に民事再生手続き開始を申し立てた。負債総額は949億円。マンション市況の悪化で子会社の近藤産業(大阪市)が今年5月に大阪地裁に破産を申し立てたことで資金繰りが悪化した。米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響で金融機関が不動産向け融資を絞ったことも響いた。

 東京証券取引所は同日、ゼファーを8月19日付で上場廃止すると発表した。

 94年創業のゼファーは、首都圏を地盤にマンション分譲のほか、商業ビルの設計・施工などを展開している。近藤産業関連の特別損失計上に伴い、今年6月、08年3月期連結決算を11億円の最終黒字から113億円の最終赤字に訂正した。

 東証で記者会見した飯岡隆夫社長は「再生に向け全力を尽くす」と話した。姉歯秀次元1級建築士による耐震偽装事件が発覚した「ゼファー月島」(東京都中央区)について、同社は「計画通り建て替える」としている。【太田圭介】

この件については、マンション市況の悪化が重要だと思われます。資材の高騰なども追い打ちをかけていると思われます。そして、資金繰りという面からいえば、建築基準法の改正による混乱の影響もあるのではないかと想像します。

多くの建築関連の会社が、仕事の内容は優れているのに、資金繰りに躓いて倒れています。これは、建築基準法の改正によって、事業のスケジュールが大幅に変更になっていることに、うまく経営や融資が適応できていないことが原因だと思います。

融資を行う金融機関に、そうした状況や環境の変化に対応するだけの余力があるなら、融資のスケジュールを少し見直すだけで、多くは解決してしまうのではないかと思います。ところが、あいにく、サブプライムローン問題に金融機関が巻き込まれてしまったためか、それが難しくなっているようです。そのとばっちりが、このような事例につながっているように思います。

引用の記事では、最後に、耐震偽装による建て替え物件への対応が記されています。

この物件が、元建築士が偽装にのめり込んで行く契機になりました。そして、発覚後には、肝心のこの物件をとりあげず、ヒューザーや木村建設、イーホームズばかりを取り上げたために、人々の意識が偏り、問題が歪曲されてしまいました。そのような流れを決定付けた元建築士の国会での証言は、議院証言法違反で厳しく処罰されています。

建築確認の民間開放も、木村建設も、ヒューザーも、耐震偽装の脇役にすぎません。ゼファーもそうした脇役の一つですが、重要な役割をはたしていました。ゼファーのこの物件がなければ、この耐震偽装は無かったかもしれません。とはいうものの、あまり大きくはとりあげられずに済んできました。

今後、この会社は、民事再生のもとでの瑕疵のある建物の建て替え事業をどのように進めるのかという問題についても、取り組んでいくことになると思います。
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by gskay | 2008-07-21 22:09 | 真相 構図 処分